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食材のピクトグラムを紹介する菊池信孝代表=神戸市中央区旭通1
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食材のピクトグラムを紹介する菊池信孝代表=神戸市中央区旭通1
さいたま商工会議所が作ったピクトグラム入りのうちわ(同商議所提供)
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さいたま商工会議所が作ったピクトグラム入りのうちわ(同商議所提供)

 訪日外国人客の増加を背景に、言葉が分からなくても意味が伝わるピクトグラム(絵文字)の利用が広がっている。料理に使われる食材や洗浄便座の操作法などを視覚化。2020年の東京五輪・パラリンピックを前に産官学がおもてなしの向上を目指し、より分かりやすい表現や対象の拡大に知恵を絞る。(塩津あかね)

 食材のピクトグラムを考案したのは、神戸市中央区のNPO法人「インターナショクナル」。食物アレルギーや宗教などの理由で口にできない食材がある人は国内で420万人に上るともみられ、14品目を10年に絵文字にした。肉や魚介類の種類などを9割以上の人が説明なしで判別できるという。

 きっかけは、菊池信孝代表(31)の大阪外国語大(現・大阪大外国語学部)在学時だった。来日したサウジアラビア人に「日本食を食べたい」と案内を頼まれたが、多くの飲食店でイスラム教の戒律で禁じられる豚肉や酒が使われているかどうかがはっきりせず、結局、食材が把握できるファストフードで食事してもらった。他にも摂食や飲酒が制限される留学生がいることが分かり、文化の多様性を考える学内サークルを05年に設立。卒業後の09年にNPO法人にした。

 二十数カ国1500人以上への調査を基に、国籍や文化が違っても食材が分かる図柄を考案。例えば「乳」は集乳缶や紙パックではなく、理解度の高かった瓶に牛を描いたものにした。いずれも焦げ茶とベージュという落ち着いた配色で、16年3月末時点で空港やホテル、商業施設にある飲食店1349店がメニューに採用。同年5月の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)、今年2月にあった札幌冬季アジア大会の選手村でも使われた。

 今年1月には、ピクトグラムを商品に貼るためにシール化したり、使用店舗をネットで検索できるようにしたりといった普及拡大への資金調達を狙い、事業会社を設立した。使用料は1店当たり年間1万2960円。菊池代表は「誰もが安心して食事を楽しめる環境をつくりたい」とする。

 一方、トイレ機器メーカーでつくる日本レストルーム工業会(名古屋市)も1月、温水で洗浄する便座の操作パネルについてピクトグラムを作った。便器洗浄▽おしり洗浄▽便座開閉▽乾燥-など8種類を用意。国内主要メーカー9社が17年度以降の新製品から統一の図柄を順次採用する。

 洗浄便座の機能は多様な上、海外では日本ほど普及しておらず、「使い方が分かりにくい」との声があった。同会は「トイレをストレスなく使ってもらうことで、日本の魅力がより増していくと考えている」などと効果を期待する。

■交流促進のツールに

 ピクトグラムを使って都市をアピールしようという動きも出始めている。

 さいたま商工会議所(さいたま市)は3月、埼玉大と連携し、ピクトグラム入りのうちわを作製。夏場に開かれる東京五輪の暑さ対策として配る予定で、表面にはトイレや病院、鉄道、銀行などを示す14のピクトグラムを印刷した。指さしで市民と外国人との積極的な意思疎通を目指す。

 同市で27日から開かれる「世界盆栽大会」での配布を手始めに改良していく。同商議所は「今後もマラソンや自転車競技などの国際大会が地元で予定されている。外国人の皆さんを手厚くもてなし、都市の認知度を高めたい」と話す。

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