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城戸景子さん
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城戸景子さん

 人はなぜ失言するのか。今に始まったことではないが、4月は閣僚らの問題発言が相次いだ。撤回・謝罪を余儀なくされたり、辞任に追い込まれたり。過去の例から学んでいるはずなのに、なぜ繰り返してしまうのか。専門家の目を通して検証してみた。

 【アドリブに注意】

 4月25日、今村雅弘前復興相が東日本大震災に関して「まだ東北で良かった」と発言。この失言の責任を取って大臣を辞任した。同氏は同4日にも、東京電力福島第1原発事故に伴う自主避難者の帰還を巡る記者会見で「自己責任」などと発言し、撤回・謝罪していたばかり。批判を浴びながら2度までも。

 今村氏の言動に対し、「自身の職務に求められるイメージを理解していない」と分析するのは、ビジネスマナーコンサルタント城戸景子さん(千葉県)。神戸女学院大を卒業後、営業秘書などを経て、ビジネスマナー研修や社会人向けセミナーの講師などを務めている。その立場から、「復興大臣は被災地域と被災者に最も寄り添うべき、という国民のイメージを認識していれば失言につながらなかった」と語る。

 「落とし穴」は、会議などを終えた政治家を記者が囲む「ぶら下がり会見」や身内のパーティーなどに潜んでいる。注意すべきは受け狙いのアドリブだ。

 3月に、自身のパーティーで「長靴業界はだいぶもうかった」と発言し、内閣府・復興政務官を事実上更迭されたのは務台俊介氏。昨年9月、岩手県岩泉町の豪雨被害視察で、職員におんぶされて水たまりを渡り、非難の声を浴びたにもかかわらずの発言。城戸さんは「ちょっとしたサービス精神やジョークのつもりが、大きな失敗につながることが多いように見受けられる」と指摘する。

 そこで考えられるのが、「失言=本音」と捉えられかねない点だ。「だからとっさに出る言葉が失言につながる可能性がある。学歴が高く、頭の回転が早い人はスピードで発言しがち。あえてひと呼吸置いて発言を」と城戸さん。甲南女子大学・山田尚子教授(心理学)は、「気持ちの要素を除外すると、皆、首都圏で同じ規模の地震が起きたら、被害はさらに甚大になっていたと理解はできる」とした上で、「『良かった』と表現してしまったことが失言」と、言い回しの重要性を説く。

 【気づいたら即謝罪】

 専門家が口をそろえるのは、スピード感ある撤回と謝罪。失言をゼロにすることは難しい。広報コンサルタントの石川慶子さんは「気づいたらすぐに謝罪することが肝要。『…に言われたから』と、責任転嫁するような表現はさらなる批判の原因になる」。

 謝罪会見での見た目も印象を左右する。今回、今村氏はアニメ柄のネクタイを締めていた。人気アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」。かつて版権を持っていた「ガイナックス」(東京都)が、被災地の復興を支援するために福島県に設立した子会社「福島ガイナックス」を、今村氏が訪れた際にもらったものという。地元企業を元気にしようという思いを込めて締めるネクタイだそうだが、とはいえ「自身に求められるイメージを考えると不適切」と城戸さん。謝罪の場では「きっちり着ることと地味な色を心がけましょう。ひと目で反省していると分かるイメージの外見作りを」。

 要職に就くと、メディアの前に立つ機会も多い。「米国では当たり前となっているメディアトレーニング(カメラを通して自分を客観視する)を」とは石川さん。

(坂山真里緒)

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