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 兵庫県三木市の薮本吉秀市長(58)は15日、市幹部と利害関係者が飲食した幹部慰労会問題に関して虚偽の説明を繰り返したと認め、同市会に辞表を提出した。その後、約2時間にわたって記者会見を行った。主なやり取りは以下の通り。

◆なぜ今辞職するのか

 -きょうの辞意はかなり唐突感があるが、いつ頃辞任を決断したか。なぜこのタイミングなのか。

 「本当にもっと早くこういう場を設けて真実を言わなかったのか、と反省しており、1年半の間、何かの機会で打ち明けないといけない(と思っていた)。地方創生、三木再生の計画を固める年。そのときに打ち明けることが混乱してしまうのではないかと、常に心の中にあった」

 「自分の心の中では唐突ではなく、何か機会があれば申し上げたい気持ちを持っていた。新年度の予算が可決された中で、大きな事業でスタートを切ろうとしている。特に広報の5月1日号を発行した中で、ようやく明暗を分ける、事業費を含めて大型プロジェクトが動きだす」

 「言わないといけないことがあったのに大きなプロジェクトを進めてしまったら、自分の原点を見失ってしまうとの思いが非常に強くなった。議会の場で、虚偽の陳述を行っている。議会、マスコミ、市民のいずれが先か考え、まず議会で報告し、マスコミを通じて市民へ伝えることにした」

 「自分の勝手でやめてしまうと、単独では市の負担で大きな選挙費用になる。たまたま結果論だが、7月2日(投開票)の県知事選との抱き合わせによる負担の軽減を考えた。大きなプロジェクトを進める前に市民にお知らせする機会はほかにない。ゴールデンウイークの間にずっと悩みに悩んだ。水面下で思いはあり、やはりこのタイミングだと思ったのが偽らざる気持ち」

◆自責の念と使命感で錯綜

 -昨年12月市会で、市長の倫理審査会の開催を求める決議を可決した後、強い口調で「少数の意見」「後ろ向きの議論」と話した。市長選立候補をにおわせる発言もあった。自信満々に話した半年後、心境が変わった部分は。

 「いつか言わないといけないという良心の呵責(かしゃく)、自責の念と(大型事業を)やり遂げていかないといけない使命感で、自分の気持ちが錯綜(さくそう)している日々だった」

 「今から半年前、市議会の判断に対し、後ろ向きの議論ではなくて、前を向いた議論をしましょうよと強気の発言をした。二つの思いの中で、やり遂げていかないといけないという使命感に強くベクトルが働いた発言」

 「3月の補正予算はすべて否決されるショッキングな出来事もあった。いろいろぎくしゃくがあった中で、3月議会が議決。本当の意味での三木創生プロジェクトが始まりだそう、動きだそうとし、二つの思いの中で、自責の念で市長として、政治家としての責任を果たす思いがより強くなってきた」

 「二つの葛藤する心の中で整理がついてきた経緯をたどった。人間の感情なので、二つの思いが勝ったり負けたりするが、二つの思いを持った中での経緯」

 -辞任は何日付か。

 「本日辞表を提出した。地方自治法で20日間と決まっている。議会で同意なければ20日後の6月3日か。それまでに市議会でも6月1日には本会議も予定されている。議会の対応によって早まるのではないか。議会に判断を仰ぎたい」

◆証拠メール「なかったことに」

 -市民目線では許されない。関係部長だけなら「なかったことにしてしまったらどうか」という考え方は、トップとしていかがなものか問われる。そのときの心境は。

 「出張先であったことから逃げ口上ではなく、きっちり部長と対面で話したのではなく、どういうメールが出回っているか見ていない中で、出張先のタイトな日程での電話のやり取りだった。それはなんら言い訳にならない」

 「自分の頭の中にもともと飲み会、2次会という公的なものではなくて、仕事という形ではなくて、私的な者の集まりをお知らせするメールだったという判断。ほかの誰にも見られないだろうという」

 「私自身も反省があるから記者会見に臨んでいるが、トップとしてしてはならない軽率な、安易な、市民を向いた判断ではなかった。それを軽々にしてしまったことはやはり、言い訳は一切しない。魔が差してしまった判断をしてしまった。トップとしてはしてはならない判断をした。それを正直に市民に申し上げ、お許しをいただけるかわからないが、真実をしっかりとして謝罪をしたい」

◆うそ重ね再出馬に悩み

 -結果として市民へのうそであり、部長を守るという自分の保身にもつながる。1年半にもわたり仕事が途中だからという理由でうそを重ねてきたことについて、市民に対しては。

 「偽らざるものをすべて吐露している。(15日)夕方にはホームページにもアップする。一言一句見ていただきたい。市民からは厳しいご意見が出てくる。出てきて当然。この段階で次の出直し選挙が出ることを言う資格があるのかどうか正直悩んだ」

 「自分のプロジェクトだけではなく、市民あっての三木市、プロジェクトを必要とする市民もいる。そうではないと反対される方もある。しかしこれまで進めてきたので、このまま消え去ることは逃げ出してしまう、敵前逃亡してしまうとも捉えられかねない」

 「どの面下げて出て来られるのかという意見もあってしかるべし。どういう意見を市民からいただくかわからないが、政治家として謝罪すべきところは謝罪し、自分がプロジェクトを進めさせていただいていいのか、プロジェクト自身の持つ是か非も、三木市民の将来に関わることなので、この二つの機会を世に問う機会と判断した。厳しいご意見もたまわることは覚悟の上」

◆「ワンマン市長」批判は甘受

 -「引き返すのは今しかない」という部長の声にも耳を貸さない。ワンマン市長と言われている。ご自身の反省は。

 「人の意見を聞かないと言われればおっしゃる通り。(一昨年12月、広報紙発行前の幹部の集まりで)部長たちの中でいろいろな思いが交錯、心の中をよぎった。結果として市議会本会議の場で、部長たちの一部や教育長がそれを『知らなかった』と認めた発言をせざるを得なかった」

 「そういうこともいろいろある中で、もうこのままこの道を引き返さずに、最終的にいこうと決めたのは私。ワンマン市長だと、人の言うことを聞かない市長だと厳しいご批判の声を承っても、私はそれは甘受するつもり」

 「しかしながら、言い訳になるがこれ以上申し上げないが、政治家の命は、信頼と共に政策。後半の政策の形では、市民に対してうそをついてやってきた思いはないのでこういう形で信を問う形(を選んだ)。最終的には民主主義のルールで、世論がお決めいただくことと考えている」

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