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 兵庫県内で2005年以降、20市町が犯罪被害者や遺族の支援条例を設ける中、うち9市が独自に盛り込んだ一時保育費負担や家事援助制度が全く利用されていないことが22日、各市への取材で分かった。支援条例は、1997年の神戸連続児童殺傷事件で次男淳君=当時(11)=を失った土師(はせ)守さん(61)ら「全国犯罪被害者の会」(あすの会)の働き掛けにより広がっているが、独自支援の利用期限などが被害者の生活実態に合っていない可能性があるとみられる。

 支援条例は京都府や岡山県、秋田県で全市町村が設けるなど、全国で制定の動きが広がっている。遺族や重傷者への見舞金のほか、転居費の助成や貸付金制度などを盛り込む自治体もある。兵庫県内では宝塚市が05年4月に施行したのを皮切りに制定が広がった。

 神戸や西宮、明石など9市は、被害者の子どもらの一時保育費を負担。うち西宮市を除く8市は、ヘルパー派遣など「家事援助」も定める。ただ、神戸、明石市で見舞金支給などの実績はあるものの、一時保育費負担や家事援助の利用はない。

 ネックとなっているとみられるのが、被害から半年または1年以内という利用期限だ。警察庁の調査では、犯罪で重傷を負い、2011、12年度に国の給付金を受けた被害者の約3割が治療に1年以上を要した。また、裁判が1年以上かかると、出廷時にこうした支援を受けられない。神戸市の担当者は「期限の設定は利用する際の壁になる」とし、見直しを視野に入れるという。

 諸沢英道・元常磐大学長(被害者学)は「元の生活に戻るまで途切れのない支援が大原則で、期限を設けるのはナンセンス。利用がないのはニーズがないわけではなく、利用しにくい仕組みであると行政は考えるべきだ」と指摘している。(田中宏樹)

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