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 1997年に神戸市須磨区で起きた連続児童殺傷事件で、小学6年の土師(はせ)淳君=当時(11)=が殺害されてから24日で20年となる。父親の守さん(61)は神戸新聞社の取材に応じ、加害男性(34)から代理人弁護士を通して昨年春、2015年に出版した手記「絶歌(ぜっか)」の印税の一部を賠償金に充てたいと申し出があり、拒否したことを明かした。

 手記は同年6月、遺族へ断りなく出版された。守さんは「被害者をさらに傷つけ、苦しめたお金で賠償金を支払おうとする。『あほなことを言うな』という心境だった」と憤る。

 男性の両親は今年3月、神戸新聞社の書面取材に初めて応じ、手記について遺族にまず伝えるべきだったと考えたとみられ「順序が間違っているように思いました」と回答した。守さんは「順序の問題ではない。出版そのものがいけない」と指摘。加害者が自らの犯罪に関する書籍を出版して利益を得ようとする行為が、被害者側をいかに傷つけるかを強調する。

 「自分の子はなぜ彼に命を奪われなければならなかったのか」。守さんはその真実を男性に求めることが親としての義務だと思い、男性から毎年届く手紙に目を通した。だが、手記の出版を受け「もう(男性と)関わりたくない」と強く感じ、昨年、今年と手紙を受け取らなかった。

 守さんは「僕らが長年望み続けた事件の真実を知ることは、出版でかなわなくなった」と話した。(田中宏樹)

 【神戸連続児童殺傷事件】 1997年2月、神戸市須磨区で小6女児2人が頭部を金づちで殴られ、3月16日には小4の山下彩花ちゃん=当時(10)=が頭部を金づちで殴られ、1週間後に死亡。同日、小3女児も腹部をナイフで刺された。5月24日には小6の土師(はせ)淳君=同(11)=が殺害された。兵庫県警は6月28日、殺人容疑などで中3の少年=同(14)=を逮捕。少年は関東医療少年院に収容され、2005年に退院した。

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