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姫路市が東京五輪・パラリンピックを見据えて制作した修正前のロゴマーク。広報誌でPRしたが、大会組織委員会から物言いがついた
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姫路市が東京五輪・パラリンピックを見据えて制作した修正前のロゴマーク。広報誌でPRしたが、大会組織委員会から物言いがついた
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修正前の「姫路プロジェクト」のロゴマーク(姫路市提供)
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 兵庫県姫路市が、東京五輪・パラリンピックを見据えて制作したロゴマークに今月、大会組織委員会から“待った”が掛かった。大会名称など五輪を想起させるデザインが知的財産に当たり、文字を外す大幅な修正を余儀なくされた。そもそも市の認識不足が原因だが、大会を盛り上げようとする意図は“便乗商法”とみなされた。なぜ、これほど厳しく管理しているのか。背景にはスポンサーの支援が欠かせないオリ・パラ特有の事情があった。(金 旻革)

 「ロゴが知的財産を侵害する恐れがある。変更をお願いしたい」

 組織委から市シティプロモーション推進課に電話があったのは5月2日。独自のロゴを発表した約1カ月後のことだった。

 市は五輪を機に、スポーツや文化、観光施策を進める「姫路プロジェクト」を展開。取り組みを発信するため、姫路城などのデザインに「2020東京オリンピック・パラリンピック」を添えたロゴを作った。

 五輪を盛り上げる狙いもあったが、組織委に相談せず、指摘は想定外だった。担当者は「ロゴには『姫路』と記し、大会とは一線を画したつもり。問題ないと思った」と肩を落とす。

 組織委によると、大会名称は国際オリンピック委員会(IOC)の知的財産に当たる。エンブレムやシンボル、聖火なども該当し、無断では使用できない。オリンピック憲章でも、これら全ての使用権はIOCに帰属すると定めている。

 組織委は、姫路城などに大会名称を組み合わせたロゴを、いわゆる便乗商法と判断。「五輪を想起させる独自デザインは認められていない。アンブッシュマーケティング(便乗商法)の観点から変更を求めた」とする。

 五輪の開催費用は約1兆6千億~1兆8千億円とされ、スポンサーの協賛金が大きな割合を占める。見返りとしてスポンサー企業などに限り、商業活動で使用する権利を認めている。

 制限をなくせば五輪のブランド価値は低下し、スポンサー離れを招く恐れもある。このため厳格に管理し、便乗商法には悪意の有無を問わず厳格に対処しているという。

 修正を受け入れた市は、「2020」だけでも残せないかと食い下がったが、五輪にあやかって作られたロゴと一体とみなされ認められなかった。

 組織委は「スポンサーがいなくなればアスリートの強化にも支障が出る。地方自治体の活動とはいえ、イベントなどで(ロゴが)使われる可能性があり、問題がないとはいえない」と理解を求める。

■自治体向けに参画プログラム

 国民全体で東京五輪・パラリンピックを盛り上げるため、スポンサーではない地方自治体や団体が、積極的に後押しすることはできないのか。

 組織委はこうした思いの受け皿として「東京2020参画プログラム」を用意し、参加団体などを募集している。

 プログラム用にロゴマークを作り、スポーツだけではなく、文化や教育、まちづくりなどの活動で活用できる。組織委から認証を受ければ、事業のPR用としてポスターやホームページ、横断幕などにロゴを使えるという。

 兵庫県内では、県が9月に開催する「県交響楽祭」や11月の「和太鼓フェスティバルin兵庫」などでプログラムのロゴを活用する。

 一方、国は東京五輪後を見据えた取り組みも計画。「beyond(ビヨンド)2020プログラム」と銘打ち、各地の伝統行事や食文化などの情報発信に使える政府公認のロゴを制作した。

 あおりを食った形の姫路市も早速、両プログラムへの申請を検討している。

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