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乗客106人が死亡した事故直後の現場=2005年4月25日、尼崎市
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乗客106人が死亡した事故直後の現場=2005年4月25日、尼崎市
尼崎JR脱線事故で強制起訴されたJR西日本歴代3社長(左から)井手正敬氏、南谷昌二郎氏、垣内剛氏
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尼崎JR脱線事故で強制起訴されたJR西日本歴代3社長(左から)井手正敬氏、南谷昌二郎氏、垣内剛氏

 2005年4月、乗客106人が死亡した尼崎JR脱線事故で、業務上過失致死傷罪で強制起訴されたJR西日本歴代3社長について、最高裁第2小法廷(山本庸幸裁判長)は「現場カーブに自動列車停止装置(ATS)の整備を指示すべき業務上の注意義務はなかった」とし、検察官役の指定弁護士の上告を棄却する決定をした。12日付。3人を無罪とした一、二審判決が確定する。

 3人は井手正敬元会長(82)、南谷昌二郎元会長(75)、垣内剛元社長(73)。10年4月、検察審査会の議決に基づき強制起訴された。一審に続き3人を無罪とした15年3月の高裁判決を受け、指定弁護士は同年4月に上告していた。

 指定弁護士は上告趣意書で、1996年に現場カーブの半径が600メートルから304メートルに変更され、手前の直線と比べて制限速度の差が50キロに達したとし「運転士が制動措置を取れずにカーブに進入すれば、列車が脱線転覆することは予見できた」と主張。「運転士がヒューマンエラーでカーブに進入する危険は想定すべきだった」としていた。

 最高裁は決定で、事故前の法令ではカーブへのATS整備が義務付けられておらず、JR西管内に半径300メートル以下のカーブが2千カ所以上あった点に着目。「3社長が現場カーブの危険性が特に高いとは認識できなかった」とした。

 さらにATSの整備を、JR西は線路の安全対策を担う鉄道本部長の判断に委ねていたとし「3社長が個別のカーブの危険性に関する情報に接する機会は乏しかった」と述べた。

 一連の裁判では企業として起こした事故で個人に刑事責任を問えるかが焦点となり、最高裁は3社長の事故の予見可能性を認めなかった。13日に神戸市中央区で記者会見した河瀬真・指定弁護士は「社長に情報が届きにくいという理由で責任が問われなければ、安全対策は後ろ向きになってしまう」と話した。(田中宏樹)

【尼崎JR脱線事故】 2005年4月25日午前9時18分ごろ、尼崎市のJR宝塚線塚口-尼崎間で、7両編成の快速電車が制限速度70キロの急カーブに約116キロで進入し脱線。線路脇の9階建てマンションに激突し、乗客106人と運転士が死亡、493人が重軽傷(神戸地検調べ)を負った。神戸地検が業務上過失致死傷罪で在宅起訴したJR西日本の山崎正夫元社長は無罪判決が確定した。他にも歴代3社長が検察審査会の議決に基づき強制起訴されたが、一、二審で無罪判決を受けていた。(共同)

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