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淡路農民車コレクション【1】=南あわじ市内(撮影・大山伸一郎)
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淡路農民車コレクション【1】=南あわじ市内(撮影・大山伸一郎)
淡路農民車コレクション【2】=南あわじ市内(撮影・大山伸一郎)
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淡路農民車コレクション【2】=南あわじ市内(撮影・大山伸一郎)
淡路農民車コレクション【3】=南あわじ市内(撮影・大山伸一郎)
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淡路農民車コレクション【3】=南あわじ市内(撮影・大山伸一郎)
淡路農民車コレクション【4】=南あわじ市内(撮影・大山伸一郎)
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淡路農民車コレクション【4】=南あわじ市内(撮影・大山伸一郎)
淡路農民車コレクション【5】=南あわじ市内(撮影・大山伸一郎)
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淡路農民車コレクション【5】=南あわじ市内(撮影・大山伸一郎)

 兵庫県・淡路島には、独自の進化を遂げた「ガラケー」ならぬ、「ガラカー」がある。その名もずばり「農民車」。ストレートすぎる名前の通り、農作業のため、とりわけタマネギの収穫に使うために開発された車だ。

 写真を見ればお分かりの通り、フレームやエンジンがむき出しの、ただならぬハンドメード感。見た目はバラバラ、同じものはない。それもそのはず、作っているのは農機メーカーじゃなく、地元の鉄工所。中古車の部品を寄せ集めてできた、ハイブリッドな雑種車である。

 “車の起源”は、半世紀以上も前、国産のトラクターが普及し始めた頃のこと。使えなさに業を煮やしたとある農家が、耕運機などを作っていた鉄工所に持ちかけ、「トラクターにならなんで農民車になった」のがはじまりだと、開発に携わった人は証言する。

 ところが、これに注文が相次ぎ、島内の10を超える鉄工所で作られ、1980年代には推定1万台以上あったというから、どう転ぶか分からない。

 タマネギは重い。淡路島のタマネギはとりわけ大きくて立派だ。北海道のような畑と違い、水稲の裏作で、当時は圃場整備も進んでいない。農地が「じゅるい(ぬかるんでいる)」と、昔のオート三輪や軽トラックでは歯が立たない。

 そこに登場したのが、丈夫で長持ち、働き者の農民車というわけだ。

 オーダーメードだから融通が利く。狭い土地では車幅を切り詰め、山間地ではリアエンジン化。四輪駆動はもちろん、堆肥などの運搬に便利なダンプ機能も、タマネギを小屋につりやすくするリフト機能も備える。重労働を助けてくれる、島一番の働きモノ。「これがなくては淡路の農業は衰退する」と言わしめる。

 けれども、乗り手の農家は減り、自動車のハイテク化で部品の供給は先細り。明石海峡大橋で一またぎでも、神戸の人間にすら知られていない、島の民俗文化財の未来やいかに。「マッドマックスの車に、おばあちゃんが乗ってる!」と車マニアを驚愕させた風景が見られるのも、今のうちかもしれない。(田中真治)

        ◇     ◇

 この記事は、神戸新聞創刊120年連載「新五国風土記」によるものです。これまでの記事はこちらでお読みいただけます。

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