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百合地巣塔(奥)の近くで無農薬農法を続ける北垣和一さん。野外100羽を喜んだ=豊岡市百合地
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百合地巣塔(奥)の近くで無農薬農法を続ける北垣和一さん。野外100羽を喜んだ=豊岡市百合地

 2005年の初放鳥以来、野外にすむコウノトリが初めて100羽に達した。長年、保護や野生復帰に取り組んできた人たちは、大きな節目を喜んだ。今後も増え続け、人と自然の共生のシンボルとして慈しまれるよう期待する。

 100羽目が巣立った兵庫県豊岡市百合地地区の巣塔。6歳雄と8歳雌の若いペアがひな2羽を育てていたが、かつて巣塔を使った19歳雌が何度も巣を狙った。この日も急襲を受け、100羽目は逃げるように飛び立ち、水田に着地。劇的な巣立ちだった。

 県立コウノトリの郷(さと)公園の山岸哲園長(78)は「徳島県鳴門市など豊岡周辺以外に繁殖地が広がった年に100羽に達し、不思議な因縁を感じる。幸せを呼ぶとされるコウノトリが全国に飛び、多くの方々に幸せを届けてくれると期待したい」とコメントした。

 日本のコウノトリが1971年に野外で絶滅する前から保護に関わってきた同公園の元飼育長松島興治郎さん(75)は「絶滅させないという願いはかなわなかったが『野に返す』志は強く持ち、ずっと伝え続けてきた。志を次世代につないでほしい」と喜びをかみしめた。「コウノトリが飛来し、すみ着くことは、その場所の自然や社会環境が良い証し。鳥と一緒に生きていくことは、私たち自身の問題を考えるきっかけになる」

 巣塔の周辺では、鳥たちの餌を残す「コウノトリ育む農法」が07年から続く。農地を管理する「百合地営農」の北垣和一さん(72)は、祖父の代から保護に関わってきた。「ここまで増えるとは想像もしなかった。ようここまで…という思いでいっぱい」と感慨深げだった。(阿部江利)

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