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シャンデリアや暖炉など貴賓室の内装を生かした飲食店の食事スペース=JR神戸駅(撮影・中西大二)
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シャンデリアや暖炉など貴賓室の内装を生かした飲食店の食事スペース=JR神戸駅(撮影・中西大二)
玉座などが撤去される前の貴賓室。ガラスの壁で囲われ保存されていた=2014年5月(撮影・藤村有希子)
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玉座などが撤去される前の貴賓室。ガラスの壁で囲われ保存されていた=2014年5月(撮影・藤村有希子)

 JR神戸駅(神戸市中央区)の貴賓室が、飲食店の客席に姿を変えた。新幹線の開業によって皇族らのアクセスが新神戸駅(同区)に移り、機能を失ってからも保存されてきたが、有効活用する方向に転換。在りし日の面影を残す一方、貴賓室としての130年近い歴史に幕を下ろした。(小川 晶)

 神戸駅は、大阪-神戸間の開通に合わせて1874(明治7)年に開業。貴賓室は、89(同22)年完成の2代目駅舎で食堂などとともに設けられた。

 高架工事に伴う1930年代前半の改装で、構内北側に移転。47~68年に昭和天皇が2回、皇太子時代の今上天皇が1回、立ち寄られた記録がある。

 72年の山陽新幹線新大阪-岡山間の開業で新神戸駅が兵庫訪問の玄関口になると、神戸駅の貴賓室は駅長室に用途を変えた。97年に貴賓室を含むスペースに商業施設が開業してからも、「駅の歴史を伝えるもの」として食堂「みかど」の一角にガラス壁で囲って保存された。

 2006年に出店した飲食店「がんこJR神戸駅店」にも引き継がれたが、店の内部にあり乗降客の目に留まりにくいため、商業施設の運営会社「神戸SC開発」(神戸市東灘区)が店側と協議。内壁などを残して備品を撤去し、昨年9月から通常営業に使い始めた。

 玉座がなくなり、客席用の机といすが新たに搬入されたが、シャンデリアや大理石の暖炉、木組みの床板はそのまま。中高年の女性を中心に口コミで人気が広がり、席を指定しての予約も増えているという。宗田久嗣(ひさつぐ)店長(30)は「落ち着いた内装と、天井が高く開放的な雰囲気が魅力のようです」と話す。

 一方、2代目駅舎から続く貴賓室としての歴史は区切りを迎えた。これまで「保存されている」としてきたJR西日本は「玉座が撤去され、『存在しない』との位置付けになった」とする。

 神戸SC開発の担当者は「貴賓室を中に入れない状態で保存するよりも、店舗に開放する方が有効活用できると判断した」と説明。撤去された備品の一部はJR西が保管しているという。

 【貴賓室】JR西日本の規定では、利用できるのは天皇、皇后両陛下と、皇太子ご夫妻に限られる。京都駅などJR西管内の数カ所にあるとされるが、警備上の理由などから、原則として公表されていない。皇族や閣僚、企業の役員らが使う応接室「Jルーム」は、新神戸、姫路駅など十数カ所に設けられている。

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