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鉄道の高架下を利用した市内初のスポーツ自転車専用の駐輪場=神戸市中央区琴ノ緒町3、チャリプール(撮影・風斗雅博)
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鉄道の高架下を利用した市内初のスポーツ自転車専用の駐輪場=神戸市中央区琴ノ緒町3、チャリプール(撮影・風斗雅博)
駐輪場に設置された監視カメラの映像はスマートフォンでも確認できる(撮影・風斗雅博)
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駐輪場に設置された監視カメラの映像はスマートフォンでも確認できる(撮影・風斗雅博)

 1台10万円を超える高級スポーツ自転車の流行を受け、都市圏で専用駐輪場の設置が広がっている。高価なものほど軽量で、盗難の被害に遭いやすいスポーツ自転車。通勤で利用する「ツーキニスト」が増加する中、セキュリティー万全の駐輪場が注目を集めている。(伊藤大介)

 JR三ノ宮駅東口改札から北東へ300メートル。高架下に昨年4月、神戸市内初の会員制駐輪場「チャリプール」(中央区琴ノ緒町3)がオープンした。月額3千円で、利用者は携帯電話の専用アプリで解錠し、24時間利用できる。ずらりと並ぶ鉄製スタンドに自転車を立て掛け、仕事や学校に向かう。

 神戸市垂水区から通勤する40代の女性会社員は三ノ宮駅で電車を降り、5キロ先の神戸・ポートアイランドの勤め先まで自転車で往復している。「混み合うポートライナーに乗るのは苦痛だった。動きやすい格好に着替えられるし、毎日いい運動になる」と話す。幅5メートル、奥行き十数メートルの駐輪スペースの内外には6台の監視カメラがあり、利用者はアプリを通じて映像を常時確認できる仕組みだ。

 スポーツ自転車はフレーム本体だけでなく、パーツも高価で、転売目的の窃盗が横行している。車体が10キロ未満と軽いため持ち運ばれやすく、ホイールやクランクは10万円を超える高級品もある。部品を分解してネットオークションに出品すれば、元の所有者を特定するのは困難になる。

 現在「チャリプール」を利用する女性もかつて盗難被害を受けた。「鍵を掛けていたのに盗まれた。会員しか出入りできず、監視カメラで状況を確認できるのはありがたい」という。

 共同経営者の沼田健次さん(39)は「お客さんにとって数十万円をかけた愛車は気になるもの。これまで盗難は一度もない」と胸を張る。神戸初の専用駐輪場は口コミやインターネットで徐々に知られ、会員は40人近くに達している。

 大阪、京都では屋内型駐輪場「ヴェロスタ」がここ数年で7店舗を構えた。月額6千円と公営駐輪場より割高ながら、契約が相次ぎ、継続率も高いという。毎日のように「ここに駐輪場をつくってほしい」というメールが届いており、大崎弘子代表(40)は「企業が集まる都市部にはとめる場所がなく、潜在的な需要はまだある」とみている。

■10年で販売5倍増軽い、高額盗難の標的に

 スポーツ自転車の販売台数は近年、急激に伸びてきた。自転車産業振興協会(東京都)によると、2000年度の1店舗当たりの販売台数は4・4台だったが、10年度は24・2台。10年間で5倍以上に増えた。半分以上が5万円を超える価格帯で、30万円超の自転車も15%を占める。

 一般的な「ママチャリ」は乗り捨て目的で盗まれることが多かったが、換金性の高いスポーツタイプは狙い撃ちにされる傾向がある。スポーツ自転車の盗難情報サイト「自転車特捜24時」には、東京や大阪、神戸などの都市部に被害報告が集中する。運営する合同会社「ボット」(兵庫県西宮市)の大西秀典代表(41)は「首都圏で言えば、恵比寿ガーデンプレイスや秋葉原など、買い物で長時間放置する場所が狙われやすい」と指摘する。

 本紙の20代女性記者も被害に遭った。昨年10月、西宮市内の駅前駐輪場にとめたが、夕方に戻るとなくなっていた。西宮署に通報すると、不審な男が自転車店に売却しようとしていたことが判明。店員が警察に連絡し、男は窃盗容疑で逮捕された。

 被害を防ぐ方法はあるのか。西宮署の担当者は「二つ鍵を掛ければ、壊す手間が嫌われて狙われにくい」と対策を挙げ、「盗まれた際も防犯登録しておけば、乗っている人が所有者か確認できる」と呼び掛ける。(伊藤大介、篠原拓真)

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