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高校生の利用を増やそうと導入された通学用の急行バス。平日は30~40人が乗車する=JR江原駅前
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高校生の利用を増やそうと導入された通学用の急行バス。平日は30~40人が乗車する=JR江原駅前

 過疎化が進む地域の公共交通を存続させようと、住民や行政、企業が連携した取り組みが兵庫県豊岡市で進められている。「運賃上限200円」を死守し、利用者増加策を次々に打ち出す路線バスや、住民らが運転手を務める有料運送など、知恵を絞る。一部の路線でバス利用者がV字回復するなど、成果も表れ始めた。(秋山亮太)

 国土交通省兵庫陸運部によると、兵庫県内の路線バスやコミュニティーバスの合計走行キロ数は、2001年度から14年度までで800万キロ以上増加。一方で、運送した人数は2割以上減っている。特に人口減が進む地域では利用率が下がりがちだ。

 平日の早朝、同市日高町の山間部を1台のバスが走り抜ける。停留所では大勢の高校生が乗り込む。男子高校生の一人は「親は仕事で送迎できないので、バスがあって助かっている」。

 11年10月、全但バス神鍋高原線の路線活性化策として早朝の急行バス運行が始まった。最高200円の運賃を維持、目標利用者数を約12万人と定め、同社や市、住民でつくる推進協議会が積極利用を呼び掛ける。

 同社によると、同線の利用者数は1999年度が約15万2千人だったが、減便などで2009年度は半分以下に。10年10月からの1年間は6万人台まで落ち込み、路線休止も検討された。協議会は、11年10月からの3年間を試験期間とし、活性化策を始めた。

 同社は路線の利用実態を調査。自家用車で送迎する家庭が増え、高校生の利用が落ち込んでいることが分かった。結果を受け、地元中学校の授業や卒業式で「200円バスは定期券が安く、自家用車より家計への負担が少ない」といった利点を説明。通学用の急行便を新設し、車内に携帯電話の充電用コンセントを付けるなど、利便性も高めた。

 地域でもバスを使うきっかけづくりを考案する。同町西気地区では12年から、地区の交流会や敬老会の会場をバス停近くの施設に変更。道の駅「神鍋高原」でビアガーデンを開催し、バスで参加している。その結果、利用者数は14年10月からの1年間で約10万4千人にまで回復。同社運輸事業部の小坂祐司次長は「まだ赤字で目標には到達していないが、地域総出で路線を残す機運が高まれば大きな成果となる」と話す。

 同市内では10月から、市と全但タクシー、大学が協力し、乗り合いタクシーの試験運行も始める。市の担当者は「地域の声に応じ、多様な対策を提案したい」と期待する。

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