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 高収入の一部専門職を残業代支払いなどの労働時間規制から外す「高度プロフェッショナル制度」(高プロ)の導入を連合が事実上容認したことに対し、家族を過労死で失った兵庫県内の遺族らから反発が相次いだ。高プロは働いた時間ではなく成果で報酬を決め、長時間労働の是正につなげる狙いがあるが、「制度を悪用すれば長時間労働の助長につながる」との懸念が根強い。(末永陽子)

 高プロの対象は、年収1075万円以上の金融ディーラーや研究開発などの専門職。連合は「年104日以上の休日取得」や「労働時間の上限設定」などを要請する代わりに、「残業代ゼロ」として批判してきた高プロの容認に転じた。

 「サービス業やブラック企業が横行する中で成果主義を導入しても、結果を出すまで過重労働を強いられることになる」と反対するのは、過労死等防止対策推進兵庫センターの共同代表幹事、西垣迪世(みちよ)さん(72)=神戸市。一人息子を働き過ぎのため亡くした経験を踏まえ「高プロは過労死を生む温床となる可能性が高い」と危惧する。

 労働問題に詳しい中神戸法律事務所(神戸市中央区)の羽柴修弁護士は「連合の決断は理解し難い」と憤る。「長時間労働の体質が根付いている日本で(高プロは)労働者を守れる制度ではない。一部の専門職でも『残業代ゼロ』を認めてしまえば、生産性向上の名の下に、国や企業は対象職種をどんどん広げてくるだろう」と指摘する。

 連合の方針転換に対し、傘下の県内労組からも戸惑いの声が上がった。

 大手メーカーの労組幹部は「執行部はどんな意図で、急に導入を認めたのか」と首をかしげる。「上部組織の説明を待つしかないが、『残業代ゼロ』には反対を続けたい」とした。

 一方で、別のメーカーの労組幹部は「休日取得の義務化を要請するなど評価すべき点もある。高給などの条件を満たす組合員はごくわずか。制度を機に労働環境の改善を経営側に求めていきたい」と話した。

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