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女人禁制の伝統が守られている石上神社=淡路市舟木(撮影・大山伸一郎)
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女人禁制の伝統が守られている石上神社=淡路市舟木(撮影・大山伸一郎)

 先日、世界遺産に登録された沖ノ島(福岡県宗像市)は、今も女人禁制の伝統が守られている。男性も原則として神職しか上陸できず、厳格な信仰を思わせる島だ。実はそこから遠く離れた兵庫県の淡路島にも、古くから女人禁制を貫く神社が存在する。淡路市舟木の石上(いわがみ)神社だ。

 標高約160メートル、淡路市北部のうっそうとした森の中。伊勢(三重県)から三輪山(奈良県)を経て淡路島に至る北緯34度32分の緯度線上に、石上神社はある。この東西軸は「太陽の道」と呼ばれ、日の神信仰にまつわる著名な遺跡や神社はほぼ一直線に並ぶ。

 これらの地には「日を迎える(朝日に向かう)座」と「日を追う(夕日に向かう)座」があり、前者は男性が、後者は女性が祭事をつかさどってきた。石上神社は前者で、それが女人禁制の由来という。

 筆者は女性だが、3月に同神社の春祭りを取材した。境内の入り口、鳥居のそばに「女人禁制」と赤く刻まれた岩がある。脇には「女性の方 参拝こちら」の案内板。それに従って小道を進むと、鎖の向こうに、重さ約20トンという巨石のご神体が鎮座していた。境内には入れないが、巨石の前で行われる神事が間近に見える。祭りの後、鎖越しだがお神酒を勧められた。

 古代人の太陽信仰は不思議さに満ち、パワースポット巡りで訪れる女性も多いという。集落の男性によると、「なぜ女性が入ってはいけないのか」と問われることもあり、県外の人権啓発施設では男女差別の一例として石上神社が紹介されたこともあるそうだ。

 女性用の参拝路は昔からあるが、歩きやすいように町内会費で舗装したのは数年前のこと。男性は「しきたりを守る気持ちは当然ある。でも女性を排除したいわけではないんです」と話す。国生みの島の「女人禁制」には、目くじらを立てるような厳格さはないようだ。(金 慶順)

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 この記事は、神戸新聞創刊120年連載「新五国風土記」によるものです。これまでの記事はこちらでお読みいただけます。

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