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神戸空港の運営権売却で優先交渉権者を選定したと発表する神戸市みなと総局の吉井真局長(左)と香川賢次空港事業担当局長=神戸市役所
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神戸空港の運営権売却で優先交渉権者を選定したと発表する神戸市みなと総局の吉井真局長(左)と香川賢次空港事業担当局長=神戸市役所

 神戸空港の運営権売却(コンセッション)の優先交渉権者が関西、大阪(伊丹)両空港を運営する関西エアポートと、その大株主オリックスなどの3社連合に決まった。自前の市営空港から民営化、関西3空港一体運営へとかじを切った神戸市。「神戸の空港」から「関西の空港」に位置付け、関西全体の利益を訴える先に、悲願の規制緩和を見据えるのは明らかだ。

 公募開始前だった昨年8月、久元喜造市長は記者会見で「(運営権売却は)3空港一体運営が目的だから、関西エアと密接な関係を有する会社が想定される」と発言。一体運営の実現は関西エアの関与が不可欠で、募集時点で関西エアは絶対的優位とされた。

 公募を「出来レース」と揶揄されても、神戸市には3空港一体運営を確実にしたい理由があった。神戸空港は理論上、24時間運営が可能。2016年度、発着する航空機の搭乗率は過去最高の77・4%となったが、発着便数は今夏に規制上限の1日30往復便に達し、利用者数は頭打ち状態だ。

 開港前から3空港一体運用の議論はあったが、約3300億円を投じた空港を手放すことには庁内でも慎重論が強かった。市は、あらゆるルートを通じ、市営のままで発着便数、運用時間(午前7時~午後10時)の規制を見直すよう働き掛けたが、利用が伸び悩んでいた関空の「最優先」という理屈を覆せず、実現することができなかった。

 格安航空会社(LCC)の普及と外国人客増という追い風が関空に吹く今こそ、神戸空港を「関西」に委ねることで、一気に規制緩和を近づける方針へと転換した。

 3空港一体運営が現実味を帯びる中、市の狙い通り規制緩和の機運も高まってきた。昨年末から、3空港の在り方を検討する「関西3空港懇談会」の再開を関西経済連合会に求めてきた兵庫県の井戸敏三知事は「ようやく関係者が、そういう思いになりつつある」と手応えを語る。

 かつて大阪の政財界には神戸空港不要論さえあったが、万博やカジノを含む統合型リゾート(IR)誘致や、航空需要の拡大を見込めるため、態度も軟化しつつある。吉村洋文・大阪市長は20日の記者会見で「足を引っ張るのでなく、規制緩和でお互いを伸ばすべき」として、神戸空港の国際化、24時間化に言及した。

 関経連の松本正義会長も、10年以来となる関西3空港懇談会(座長・関経連会長)を開いて神戸の規制緩和を議論する意向を表明。18日の定例会見では「世の中が変わった。(大阪、神戸が関空を補完する)原則論があるが、3空港にとって一番いい方法を考えたい」と調整に前向きな姿勢を示している。(森本尚樹、斉藤正志、内田尚典)

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