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白地に赤と青のラインが映える旧三木鉄道の車両「ミキ300-103」=ひたちなか海浜鉄道那珂湊駅
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白地に赤と青のラインが映える旧三木鉄道の車両「ミキ300-103」=ひたちなか海浜鉄道那珂湊駅
緑の中を走る様子に「往時を思い出す」との声も=ひたちなか海浜鉄道中根駅付近
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緑の中を走る様子に「往時を思い出す」との声も=ひたちなか海浜鉄道中根駅付近
内装は三木時代からほとんど変わっていない
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内装は三木時代からほとんど変わっていない
車両番号も三木時代のまま
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車両番号も三木時代のまま
神戸新聞NEXT
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神戸新聞NEXT

 2008年に廃止された兵庫県三木市の第三セクター、三木鉄道の車両が、500キロ余り離れた茨城県の第三セクター、ひたちなか海浜鉄道で快走を続けている。白地に赤と青のラインが入った車両が豊かな緑の中を駆けるのどかな風景が人気を呼び、地域ぐるみで存続努力を続けるローカル鉄道の活性化に一役買っている。(佐伯竜一)

 三木鉄道は、同市の三木-加古川市の厄神間6・6キロを結んだ。1916(大正5)年、播州鉄道が厄神-別所間を開業したのがルーツで、後に駅を増やし、経営主体は播丹鉄道、国鉄と変わった。85年に第三セクターとなった後も利用者の減少で赤字が続き、最終的に廃止された。

 ひたちなか海浜鉄道は、三木廃線を受けて09年に1両を買い取り、同年8月に運行を始めた。三木鉄道は、保有した3両をそれぞれ国内の地方鉄道会社に売却したが、往時のボディーカラーを維持しているのはここだけ。

 98年製のディーゼルカーで席数57、定員116人。車両番号は三木鉄道時代の「ミキ300-103」のまま。老朽化で色を塗り替える際も「懐かしんでくれる人がいるから」と、あえて同じに保った。いすなどの内装も変えていない。年に100人程度のファンがミキ目当てでひたちなかを訪れる。

 さらに今年3月、ミキが沿線の緑の中を疾走する光景が首都圏のローカル鉄道雑誌の表紙に選ばれた。三木時代を知らない人や、鉄道ファン以外からも「いつ行けばあの車両が見られますか」と、問い合わせが急増したという。

 ひたちなかの沿線でも少子高齢化は進むが、観光振興やボランティアによる駅舎の清掃、住民の利用促進運動などにも支えられ、利用者は増加傾向にある。最近は路線延伸や新駅整備の構想が聞かれるほどだ。

 日本民営鉄道協会(東京)によると、廃止などで使わなくなった車両を他の会社で再利用する例は少なくない。だが、多くの地方鉄道は少子高齢化などで経営が苦しく「乗客増にまでつながるケースは珍しいのでは」との見方を示す。

 ひたちなか海浜鉄道では、製造から約50年たった車両を走らせたこともあり、間もなく“20歳”のミキは当面第一線を務めるという。同社管理課の大谷俊幸さん(33)は「車体の色や車両番号を変えるつもりはない。三木にはない海沿いを走る姿も人気で、兵庫の人も懐かしい風景との再会や新たな出会いを楽しんでもらえる」。

 同社は保有する8両を数日おきに順に走らせている。ミキの出番は、運行日の2日前に分かる。同社那珂湊駅TEL029・262・2361

 【ひたちなか海浜鉄道】茨城県ひたちなか市の勝田-阿字ケ浦(あじがうら)間の14・3キロ、10駅を結ぶ。ルーツの湊鉄道は1907(明治40)年設立で、13年に勝田-那珂湊が開通し、後に延長。茨城交通に合併されたが、2008年4月1日、同市と同社が共同出資する第三セクターとなった。沿線には、国営ひたち海浜公園や那珂湊おさかな市場、アクアワールド茨城県大洗水族館などの見どころがある。

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