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乗客数が右肩下がりに減り、赤字基調が続く神戸市バス=神戸市中央区相生町3(撮影・後藤亮平)
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乗客数が右肩下がりに減り、赤字基調が続く神戸市バス=神戸市中央区相生町3(撮影・後藤亮平)
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 民営の路面電車事業を継承するため、神戸市が交通局の前身である電気局を創設してから1日で、100年を迎えた。市電は市バスになり、2路線の地下鉄も整備された。市バスの利用者数はマイカーの普及などで細り続け、地下鉄も当初の利用予測を大幅に下回る海岸線の運行赤字にもがく。厳しい情勢の中で、「市民の足」は存続への正念場が続く。(森本尚樹)

■もがく市バス

 市電気局が創設されたのは1917(大正6)年8月1日。30年から須磨-桜口(灘区)を創業路線とした市バスの運行が始まり、42年に交通局に改組された。乗客が減少した市電は段階的に路線が縮小され、71年に全廃された。この年、市バスの1日平均乗車数は過去最多の39・2万人を数えた。

 だが、その後は右肩下がりで、2009年度に20万人を割って以降、近年は19万人前後で推移する。08年度に累積赤字300億円を過去の土地売却の利益などで清算した前後の7年間は黒字だったが、13年度以降は市の負担金が10億円程度減額された影響で再び、赤字基調に転じた。

 売り上げが減り続ける中で、同局が取り組んだのは人件費削減だった。退職者不補充で運転士を減らす一方で、民間バス会社に運行を任せ、現在の車両委託率は70・2%に達している。路線距離でも全体の47・8%と、国が定める上限(50%)に迫り、同局は「これ以上は無理」とする。

■綱渡りの地下鉄

 一方、市は1977年に地下鉄西神線(新長田-名谷)を開業させ、87年に現在の西神・山手線(新神戸-西神中央)が全通した。2001年には、海岸線(三宮・花時計前-新長田)が開業した。

 沿線人口の増加とともに、西神・山手線の1日平均乗車数は順調に伸び、近年も26万人台を維持して毎年度50億~60億円の黒字を計上する優良企業だ。

 一方、海岸線は1日4万人台で推移し、開業当初の想定の1日13・8万人には遠く及ばない。15年度の赤字は46億円で、累積では17年度末に968億円に達する見込みだ。地下鉄建設にかかる費用や借金の利子などを除いた収支でも毎年度4億~6億円の赤字で、同局は「低迷ぶりは深刻だ」と認める。海岸線の赤字を西神・山手線の黒字で補う綱渡りの経営が続く。

 頼みの西神・山手線も今後、車両の更新、老朽駅舎の大規模改修など巨額の投資を控えており、気が抜けない。海岸線は全10駅の運営を第三セクターに委託しており、同局は「これ以上の経営効率化は難しく、赤字解消は乗客増対策しかない」と話す。

■崖っぷちの決意

 同局は17年度の海岸線の1日平均乗客数を対前年比0・3万人増の4・8万人と予測する。市が沿線人口減対策を兼ねて打ち出した中学生以下無料化(7月から)や、中央卸売市場本場の西側跡地の「イオンモール神戸南」開業の効果を見込んだ。

 海岸線沿線では、新長田再開発地区での県市合同庁舎整備(19年、駒ケ林駅近く)や、市総合児童センターの移転(21年、和田岬駅近く)など乗客増への好材料もある。だが、収支が均衡する1日乗客数5・5万人という目標値は遠い。

 一方、赤字を埋めるすべがない市バス事業は存続の危機にある。16年3月、同局は5年間の経営計画に、さらなる経営改善によって「市民の足」を守る決意を示したが、長いトンネルの先の出口は見えない。

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