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受付カウンターに並ぶ「塾弁当」。共働き世帯が増え、保護者の手作り以外の弁当も目立つようになった=いずれも神戸市東灘区、進学館シーア住吉校
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受付カウンターに並ぶ「塾弁当」。共働き世帯が増え、保護者の手作り以外の弁当も目立つようになった=いずれも神戸市東灘区、進学館シーア住吉校
塾に届けられたNPO法人「できたてい」の弁当を食べる児童
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塾に届けられたNPO法人「できたてい」の弁当を食べる児童

 受験に向け正念場となる夏休み、兵庫県内各地の学習塾でも、夜遅くまで子どもたちが勉強している。子どもたちにとって楽しみなのが休憩時間に食べる夜の「塾弁当」だ。かつては保護者が手作りの弁当を届けたが、共働き世帯の増加に伴い、コンビニ弁当などに頼らざるを得ない家庭も少なくない。そんな中、弁当を塾まで届けるサービスが神戸市内で始まった。栄養バランスを考えたメニューで利用者が増加中。変容する塾弁当事情を追った。(金 慶順)

 7月下旬、学習塾「進学館シーア住吉校」(神戸市東灘区)では、小学校高学年の児童が夏季講習の真っ最中。平日は午後5時から9時ごろまで授業が続く。午後6時すぎになると、受付カウンターに十数個の弁当箱が並ぶ。20分間の休憩時間で取る塾弁当だ。

 母親らが届けた弁当箱の横に、同じ容器に入った弁当があった。NPO法人「できたてい」(同市東灘区)が届けた日替わり弁当だ。この日のメニューは「牛肉のすき焼き風」。高羽六甲アイランド小5年の男子児童(10)は「おいしい」と笑顔で頬張った。

 同法人が塾弁当サービスを始めたのは3月。きっかけは、上田勝久理事長(69)が孫娘から、受験のために通う塾で夕食に悩んでいる親がいると聞いたことだった。「共働きなので夜の弁当まで作る余裕がない」「コンビニ弁当や菓子パンを買わせている」。そんな親の悩みを解消すべく、塾への弁当配達を思いついた。

 弁当の調理は同区内の飲食店、配達は新聞販売店に委託。法人メンバーの管理栄養士や調理師も栄養バランスや量などを考える。メニューは5種類あり、1食756円。会員登録し、前日夜までにウェブサイトで予約する仕組みだ。

 塾がひしめく同区の住吉、岡本エリアと西宮市の阪急西宮北口駅エリアが対象で、配達先は12カ所。現在、約40人が登録している。

 男子児童の母(44)は公務員で、会社員の夫と共働き。帰宅が午後7時を過ぎることも多く、以前は塾に行く前にスーパーで弁当を買わせていた。「好きな弁当ばかり買うので栄養が偏るのではと心配だった」という。塾弁当の配達に「食事の心配がいらないのは助かる」。

 別の塾に小5の長男(10)を通わせる会社員の女性(44)=神戸市東灘区=も塾弁当の配達を利用。「高学年は塾通いが本格化するので、こうしたサービスが広がってほしい」と期待を寄せた。

 文部科学省の2016年度全国学力・学習状況調査によると、学習塾(家庭教師を含む)に通う公立小学校6年生の割合は全国平均で約46%。兵庫県内はこれを大きく上回る約54%だ。

 塾関係者によると、中学受験を控えた高学年では授業が増え、週3日以上、夕食を塾で食べるケースもあるという。ここ数年で通塾率に大きな変化はないが、塾弁当を巡るビジネスは広がりを見せている。

■兵庫の小6、過半数が通塾

 「塾弁当」「塾ご飯」をタイトルに冠したレシピ本が数多く出版。インターネットでも、塾弁当のためのレシピを公開するブログなどさまざまなサイトが保護者の人気を集めている。

 一方、塾側も保護者のニーズに対応。京阪神などで学習塾を展開する「馬渕教室」(本社・大阪市)は、塾生が授業前に受付窓口で弁当を予約すると、各教室が地元の弁当店に一括注文する。大規模校では1日30~40人が利用することもあるという。

 兵庫教育大学の岸田恵津教授(食育・調理科学)は「塾弁当に関連するサービスが広がる背景には、『子どもの食』に対する意識の高まりがあるのではないか。各家庭のライフスタイルに合わせて上手に利用してほしい」と話す。

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