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認知症サポーター養成講座の受講者に渡されるオレンジリングを着けた子どもたち=神戸市立高津橋小学校
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認知症サポーター養成講座の受講者に渡されるオレンジリングを着けた子どもたち=神戸市立高津橋小学校
認知症をテーマにした絵本や児童書
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認知症をテーマにした絵本や児童書

 子どもに認知症を正しく理解してもらう取り組みが、兵庫県内の小学校で進んでいる。授業などを通じ、認知症の人が道が分からなくなったり、店で困っていたりしたときの支えになってもらうとともに、子どもたちにとっても、認知症の祖父母らとの接し方を考える機会になると期待されている。(広畑千春)

 神戸市西区の高津橋小学校で6月、5、6年生23人が「ジュニア認知症サポーター養成講座」に臨んだ。国の施策に基づき自治体と連携し啓発活動を行う「キャラバン・メイト」が認知症について説明。当事者がどのように感じているか、どんな声の掛け方が望ましいかなどを、寸劇を交えながら伝えた。

 6年の森下彩音さん(11)は、99歳の曽祖母が認知症。ときどき母親と大阪の施設に会いに行くが「同じことばっかり言うし暇やな、と思うときもあった」と打ち明ける。だが最近は、会った瞬間に「おっきくなったなあ」と喜ぶ顔や、ずっと笑ってくれるのがうれしいとも感じるようになった。この日、認知症の人たちは、記憶をなくすことに不安を抱えていることを知り、「たとえ覚えていられなくても、いっぱい写真を撮って、たくさん思い出をつくってあげたい」と力を込めた。

 厚生労働省の推計では、認知症の人は2025年に700万人を超え、65歳以上の5人に1人を占めるという。13年前から小中学校で認知症について学ぶ福岡県大牟田市をはじめ、全国各地で取り組みが広がる。兵庫県内でも、小野市が16年度から全小学校で4年生の授業に取り入れた。

 授業や講座の内容は地域のキャラバン・メイトが考える。キャラバン・メイトで認知症ケア専門士の楠本美香さん(53)=明石市=は「認知症の人のつらさや声掛けの大切さに気付いてもらい、家族や地域ぐるみで支え合っていけたら」と話す。

■小学校の課題図書にも

 学校現場などで認知症について学ぶ取り組みが広がる中、認知症をテーマにした絵本や児童向け書籍も増えている。全国学校図書館協議会(東京)は、毎年夏に行う「青少年読書感想文全国コンクール」で、小学校の低学年、中学年、高学年で各4冊を課題図書に選定。今年初めて認知症を扱った児童書を選んだ。

 小学校低学年向けの「ばあばは、だいじょうぶ」(童心社)は、主人公の少年の認知症の祖母に対する不安や戸惑い、それを乗り越えた心のつながりを描く。小学校高学年向けの「霧のなかの白い犬」(あかね書房)も、認知症の祖母の心に、戦争のつらい記憶があったことをテーマにした。

 課題図書選定に関わった同協議会の内海淳さんは「身内が認知症になるケースが増え、子どもたちにとっても身近なことになってきた」と指摘。「病気の仕組みなど難しいことは分からなくても、適切な関わり方を理解してもらえたら」と話す。

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