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吸着部分と窓ガラスの間が真空になって張り付く。テレビ番組ではアシストスーツを装着した状態で120メートルの高さまで登った=神戸市立工業高等専門学校
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吸着部分と窓ガラスの間が真空になって張り付く。テレビ番組ではアシストスーツを装着した状態で120メートルの高さまで登った=神戸市立工業高等専門学校
吸着部分と窓ガラスの間が真空になって張り付く。テレビ番組ではアシストスーツを装着した状態で120メートルの高さまで登った=神戸市立工業高等専門学校
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吸着部分と窓ガラスの間が真空になって張り付く。テレビ番組ではアシストスーツを装着した状態で120メートルの高さまで登った=神戸市立工業高等専門学校

 まるでスパイダーマン!? 神戸市西区の市立工業高等専門学校機械工学科の清水俊彦准教授(33)や研究室の学生らが開発した、何でもつかむロボットハンド「万能真空吸着グリッパ」が注目されている。吸盤のような仕組みを利用し、ガラスや壁など平らな面だけでなく、凹凸のある物にも吸着するのが特徴だ。テレビのチャレンジ企画に採用されるなど技術は折り紙付き。将来的には災害現場などでの活用も期待される。(坂山真里緒)

 万能真空吸着グリッパは、吸着パッド(吸盤)部分が自由に変形する。対象物に吸着パッドを付け、モーターで中の空気を抜くことで真空にし、物に吸着したり、持ち上げたりすることができる。スイカやキャベツがつかめるほか、ワインボトルを持ち、グラスに注ぐことも可能という。真空状態を解除すれば吸着パッドは簡単に外れる。

 3年前から開発を始め、研究室の先輩から後輩へと引き継がれながら、精度を高め、改良を重ねてきたという。吸盤2組とモーター、バッテリーなどを一体にしたアシストスーツも考案し、吸盤にぶら下がったまま壁の垂直移動も可能になった。

 7月中旬に放送されたテレビ番組では、スポーツクライミング日本代表の大田理裟選手にアシストスーツを装着してもらい、韓国で高さ140メートルの高層ビルの外壁登りに挑んだ。電気回路の故障で真空ポンプが制御できなくなり、120メートル付近で惜しくも断念。「故障さえなかったら…」と、清水准教授は悔しさをにじませる。

 機械のメンテナンスなどで、韓国に同行した同科専攻科2年の志賀翔さん(21)と越本拓海さん(21)は「人が120メートル登れたということは吸着部の性能が高いことを実証できた。テレビに出た価値はあったと思う」と話す。

 今後、ロボットハンドを物流現場で活躍するロボットアーム▽社会インフラの検査ロボット▽災害現場で活動するレスキューロボット-などに応用することも検討している。「地震などで建物が崩れた場合、床面は足の踏み場がなく、救助にも危険が伴う。天井や壁に張り付いて移動できるロボットがあれば役立つのではないか」と清水准教授。

 同様の機能を使って小型無人機「ドローン」を天井や壁に張り付け、建物内部の状況を調査し、コンクリートの剥離を確認する打音検査など、さまざまな場面でロボットハンドの活用が期待できる。志賀さんも「車いすなどに応用して、福祉の場でも使えるいい案があるんです」と自信をのぞかせている。

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