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ヒアリの体は全体的に赤茶色で、腹部が黒っぽい(環境省提供)
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ヒアリの体は全体的に赤茶色で、腹部が黒っぽい(環境省提供)
台湾のコンクリート塀脇で見つかったヒアリの巣(薄い茶色の部分)=神戸市提供
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台湾のコンクリート塀脇で見つかったヒアリの巣(薄い茶色の部分)=神戸市提供
ヒアリに刺された患部(神戸市提供)
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ヒアリに刺された患部(神戸市提供)
神戸新聞NEXT
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 中国から神戸港を経由して尼崎市に運ばれたコンテナ内で、南米原産の強毒アリ「ヒアリ」が国内初確認されて9日で3カ月が過ぎた。環境省は中国などとの定期航路がある全国68港湾を調査し、これまでに11都府県の港湾施設など計17カ所(事例)でヒアリを確認。各地で不安が広がったが、いずれも発見場所からの拡散や定着は見られておらず、専門家は「活動が衰える冬までが対策の一つのヤマになるだろう」と指摘する。(広畑千春)

 ヒアリは体長2・5~6ミリ程度。攻撃性が強く、腹部の先にある毒針で刺されると、やけどのような激しい痛みが起き、その後にうみのある腫れができる。体質によっては急性アレルギー反応を起こす。

 道路脇の茂みや、草が生えた空き地などを好んで巣を作る。その主は1日千個以上の卵を産む能力があるとされる女王アリ。巣には近づかないのが鉄則だが、気付かず踏みつけると、興奮した働きアリが激しく攻撃してくるという。

 アリの行動や生態に詳しい神戸大学大学院理学研究科の尾崎まみこ教授は「人家への侵入はまれで、刺されても必ず重症化するというわけではない」と強調。その上で「米国では農作物・家畜への被害や電線をかみちぎられるなど年間50億~60億ドルもの経済的損失が出ているとの試算もある。初期段階では徹底的な駆除が必要だ」とする。

 定着阻止に向け、神戸市や国は、6月にヒアリが見つかったポートアイランドのコンテナヤード「PC18」などで毎月、モニタリングを実施。先月28日から、PC18内にあり、営巣地になりやすい緑地の撤去に取りかかった。国土交通省も舗装の亀裂を修復する作業を続けており、同様の取り組みは各地の港湾で進む。

 また、神戸市は市内を五つの区域に分け、対策マニュアルの策定に着手。ヒアリが一部地域で定着した台湾や、国内での対策先進地とされる沖縄県の事例などをもとに、港湾施設など水際での防除▽内陸部の物流倉庫やコンテナ置き場などで発見された際の初動態勢▽巣が発見された場合の防除-について、11月にも素案をまとめるという。

 尾崎教授は「低温になると活動が衰える。ただ女王アリは繁殖のために数キロ飛ぶこともあり、他種との交雑で耐寒性を得る可能性もある。越冬して定着することを防ぐには、市民の情報提供が不可欠」と指摘。同市環境局は「当初のパニックに似た状態は落ち着き、市民からの通報も減ったが、万全な対策を取りたい」としている。

 環境省はヒアリに関する問い合わせ専用電話を設置し、オペレーターが相談に応じている。TEL0570・046・110(午前9時~午後5時)

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