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「灘のけんか祭り」ですり鉢状に桟敷が広がるお旅山の練り場=2016年10月、姫路市白浜町
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「灘のけんか祭り」ですり鉢状に桟敷が広がるお旅山の練り場=2016年10月、姫路市白浜町
祭りの後の様子。見物客らが捨てたごみが散乱する=2016年10月、姫路市白浜町
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祭りの後の様子。見物客らが捨てたごみが散乱する=2016年10月、姫路市白浜町

 本格的な秋祭りシーズンの到来を前に、祭りどころ播磨の住民らが、見物客のごみに戦々恐々としている。「灘のけんか祭り」で知られる播磨屈指の祭礼、松原八幡神社(兵庫県姫路市白浜町)の秋季例大祭では近年、ごみ処理費用が運営経費全体の約2割にも上る。持ち帰りを呼び掛けるが、効果はあまりみられない。華やかな祭りの舞台裏で深刻化するごみ問題。兵庫県内外の現状を探った。(宮本万里子)

 「そりゃもう大変です。何とかごみを減らしたいけど、どうすればいいのか…」。同神社のお膝元にある中村地区の総代、増田嘉孝さん(76)は頭を抱える。

 10月14、15日の祭りを控え、同神社氏子総代会は、見物客に配るチラシに、ごみの持ち帰りを促す言葉を盛り込んだ。

 祭りでは、同神社の氏子7地区が境内や地域で絢爛豪華(けんらんごうか)な屋台を練り合わせ、2日間で計約十数万人が訪れる。2日目の本宮は、すり鉢状に桟敷が広がるお旅山に舞台を移し、神輿(みこし)のぶつけ合いや屋台練りを繰り広げ、最高潮に達する。

 だが近年、神社周辺は、たこ焼きや焼きそばの容器、ペットボトルなどが散乱。桟敷はさらに大量で、ごみの山がいくつもできるようになったという。

 初日の宵宮が終わると、業者が徹夜で片付け、祭りが終わった翌日は、近くの市立白浜、妻鹿(めが)両小学校の児童や住民らが清掃。同総代会は、警備費などを含めた祭り経費の約2割を占める約200万円をごみ処理費用に投じてきた。

 同神社の亀山節夫宮司(80)は「昔は弁当を家の重箱に詰めていたが、今は使い捨て容器ばかり。放っていくなんてけしからん」と憤慨する。

 露店が出店する多くの祭りでは、ごみ問題に頭を抱えている。けんか祭りと同じ日にある大塩天満宮(兵庫県姫路市大塩町汐咲1)の秋季大祭でも、住民や露天商らが処理を担う。中村要宮司(66)は「気分よく見物をしている人に注意はしにくい」と胸の内を語る。

 9月に大阪府岸和田市であった「岸和田だんじり祭」ではかつて、市民が散乱ごみの写真を添えて「祭りの魅力を半減させる」と、インターネットで訴えた。結局、住民らがごみを拾い、協賛企業がごみ箱を置くが、追い付かないという。

 改善の兆しがあるところも。京都市の「祇園祭」では、山鉾(やまほこ)が巡行する周辺のごみ対策が長年の懸案だった。地元のNPO法人「地域環境デザイン研究所ecotone(エコトーン)」が3年前、露店で使い捨てではない食器を使い、ごみの分別回収を提案。露天商の団体とも協力して、燃えるごみの量を約2割減らした。

 同法人の代表理事、太田航平さん(37)は「祭り会場を『ごみを放置しない』という空気にして、意識を変えたい」と強調する。

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