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ケアマネジャーの女性と歩く認知症の女性=神戸市内
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ケアマネジャーの女性と歩く認知症の女性=神戸市内

 軽度も含めた認知症患者が、2025年には高齢者人口の4分の1を占めるとされ、22日投開票の衆院選と神戸市長選などでも、争点として認知症対策を取り上げてほしいとの声が有権者に根強い。神戸市では、全国に先駆けて「認知症の人にやさしいまちづくり条例」(仮称)制定に向け、有識者会議で議論が進む。急速に進む高齢化の中、対策は待ったなしだ。

 9月の有識者会議では、市内のマンションで1人暮らしをする認知症の女性(79)に市が実施したインタビューが紹介された。昨年11月、マンションの管理会社から、電気が止まったり、鍵をなくしたりしていると、地域包括支援センターに連絡が入ったという。女性は、部屋にいないはずの人が見える幻視に悩み、友人との約束を忘れたり、お金の管理が難しくなったりしていた。

 センターなどを通じて医療や介護サービスを受け、症状は安定した。現在はヘルパーやケアマネジャー、地域住民らが見守り態勢をつくり、自身は趣味でコーラスも楽しむ。女性は神戸新聞の取材に「今は安心して暮らしているが、まさか自分が病気に、という気持ちはいまだにある。偏見ではなく、病気に対する理解の輪を広げてほしい」と力を込めた。

 神戸市によると、同市の認知症高齢者は2016年度末時点で約4万6千人となっており、65歳以上の約1割を占める。25年には約6万人に増え、認知症予備軍といわれる「軽度認知障害」の約6万人を含めると合計で約12万人になる見込み。同市高齢福祉部の松原雅子担当課長は「認知症はもはや人ごとではなく、誰もがなりうる“自分ごと”。みんなで助ける意識を広め、早い対応につなげたい」。有識者会議では11月中旬にも条例案を公表し、17年度中に市議会に提案する予定という。

 家族も切実だ。同市の女性(59)は認知症の父親(86)と2人で暮らす。13年に母親が急死し、介護を担うことになった。「『ある日突然に』だった」と女性。父親の症状が進んだこともあり、仕事を辞めた。

 夜中に起き、出掛けようと服を着替える。「お母さんは?」と聞くので「出掛けてるよ」と答える。早朝に散歩へ行き、パトカーで帰ってきたことも。

 「今後ますます大変になると思うが、頼れる親族はいない。父の介護と私の人生、どうやっていけばいいのか…先が見えない」

 厚生労働省の推計で、25年に全国の認知症高齢者は約700万人に達する。認知症の人と家族の会兵庫県支部の河西美保代表(66)は「問題は差し迫っている。選挙を機会に認知症対策をしっかりと考えて」と訴える。(中島摩子)

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