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神戸山口組の本拠地で開かれた定例会。事件後、県警は入り口前で24時間態勢の警戒を続ける=10日、淡路市志筑
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神戸山口組の本拠地で開かれた定例会。事件後、県警は入り口前で24時間態勢の警戒を続ける=10日、淡路市志筑

 神戸市長田区で暴力団「任侠(にんきょう)山口組」の組員が射殺され、実行犯として指定暴力団神戸山口組系組員の男が指名手配された抗争事件は12日、発生から1カ月となる。兵庫県警長田署捜査本部は事件の解明に総力を挙げるが、市民の不安は消えない。別の暴力団抗争事件で父親が巻き添えとなって死亡した前橋市の女性(43)が神戸新聞社の取材に応じ「暴力団の存在を許す限り、被害の連鎖は止まらない」と訴えた。

 「山口組の分裂騒動をニュースで知り、発砲事件は予想していた。やはり暴力団の習性は変わらない」。前橋市の女性は神戸の事件に憤りを隠さない。

 2003年1月、前橋市のスナックで指定暴力団住吉会系の男2人が、対立する指定暴力団稲川会系の元組長を狙って銃を乱射。女性の父親=当時(50)=はなじみ客と談笑中、流れ弾に当たって死亡した。他にも客2人が死亡し、1人が重傷。稲川会系組員1人も死亡した。

 男手一つで5人の子どもを育てくれた、優しい父だったという。女性は「暴力団抗争事件は人ごとではないと確信した」と語る。

 06年、女性は住吉会最高幹部に損害賠償を求め提訴。08年には暴力団トップに使用者責任を認めさせる全国初の和解を勝ち取った。

 うれしかったのは、地域住民らの対応だという。組事務所の撤去を呼び掛ける看板が立てられ、企業や飲食店でも関係を断ち切る運動が巻き起こった。

 実行犯3人が逮捕され、死刑判決が確定したのは発生から11年後。女性は「大切なのは根気強く立ち向かうこと。身勝手に事件を起こし、罪のない人々を巻き込む暴力団を許してはならない」と話す。

 兵庫県内でも事件後、市民に抗争激化への不安が広がる。神戸山口組が今春、神戸市中央区二宮町に設けた新拠点の近くでは、高齢男性が転居を決意。「家の前で事件が起きるのが怖い。長らく住んでいたが、事務所ができてから安心できなくなった」と嘆いた。

 一方、神戸山口組が本拠地事務所を構える淡路市では、市民らが使用の差し止めを求め、暴力団追放兵庫県民センターに訴訟を委託した。「暴力団追放淡路市民の会」の男性役員は「提訴すれば市民が報復されるという不安もあったが、神戸の事件で危機感が増した。一致団結して事務所の撤去につなげたい」と力を込めた。

【神戸市長田区・組員射殺事件】9月12日午前10時ごろ、神戸市長田区五番町3の路上で、暴力団「任侠(にんきょう)山口組」の織田絆誠(よしのり)代表(50)らを乗せた車列の先頭が襲われ、代表の警護役だった楠本勇浩(ゆうひろ)組員(44)が射殺された。兵庫県警長田署捜査本部は同16日、殺人容疑で指定暴力団神戸山口組系の組員菱川龍己容疑者(41)を指名手配した。

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