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 兵庫県尼崎市内の警察3署が交付を本格化させている自転車への赤切符。車と比べ、悪質自転車を取り締まる手段が限られていることなども背景にある。一方、同一制度でありながら、著しく地域差があることに対し、専門家からは「違反への対応は模索が始まったばかりとはいえ、これほどの差が出るとは」と驚きの声が上がる。

 「そこの自転車、止まりなさい」。9月上旬、尼崎市内で40代の女性が警察官の警笛を無視して赤信号を走り抜けた。女性は赤切符を受け取り「急いでいただけ」と不満をにじませた。

 信号無視の車に対して警察官は「交通反則通告制度」の交通反則切符(青切符)を交付し、行政処分を科す。だが、自転車は運転資格が必要とされないため、この制度の対象外で、処罰を求めるには赤切符(刑事処分)しかないという。

 これまで交付が0件の三重県警は「取り締まりは積極的に行っているが、イエローカードで十分で赤切符を交付するほど悪質な違反はない」と説明する。

 国土交通省によると、交通手段に自転車を利用している人の割合は、尼崎市が全国で5番目に多い28・6%。自転車側に過失がある事故も相次いでいる。

 このため市内3署は2014年7月から自転車運転に特化したキャンペーンを展開。今年も取り締まり数を前年から倍増させるなどし、信号無視や2人乗り運転、スマートフォンを見ながらの運転など軽微な違反でも、警察官の注意に従わず、悪質と判断される場合に赤切符を交付している。

 同市も今年10月1日に「自転車のまちづくり推進条例」を施行。罰則は設けていないが、市職員も指導を行えることを明記し、市民のマナー向上に取り組む。

 一方、同市が突出して多い現状に対し、都市交通計画が専門の山中英生・徳島大教授は「自転車の取り締まりは本格化したばかりで過渡期」とした上で、「事故抑止に向けて集中的に行われる施策は地域で異なっている。自転車対策に本腰を入れる地域はまだ少なく、尼崎の取り組みで事故が減れば全国に広がるかもしれない」と話す。(石川 翠、小谷千穂)

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