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秋祭りを彩るシデ棒。地区ごとに色が異なる=姫路市白浜町、松原八幡神社(撮影・吉田敦史)
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秋祭りを彩るシデ棒。地区ごとに色が異なる=姫路市白浜町、松原八幡神社(撮影・吉田敦史)

 -あれは何かのまじないですか。

 姫路駅前で乗せた観光客が話し掛けます。

 -いいえ、祭りの準備ですよ。

 赤信号でブレーキをかけた運転手さんは、沿道のシデ棒を見ながら答えます。

 今日は、10月の初め。

 -ほう、播磨の秋祭りてのは、こんなににぎにぎしいものですか。

 車が発進すると、赤、青、黄色と、シデ棒は町ごとに色を変えていきます。

 まるで、祭りの熱気をそのまま染め付けたような、見事な色です。

    ◇  ◇    

 青竹の先に花のように色紙を飾った「シデ棒」をめぐる会話を、あまんきみこさん(児童文学作家)の文体模写で“妄想”してみましたが、全く架空の話というわけでもありません。

 屋台が西日本だけ、兵庫県内でも全域にはないように、シデ棒も誰もが知っているわけではありません。

 いや、兵庫県の播磨でも、昔から必ずあるものではないようです。

 東播磨の稲美町。ここにもシデ棒はありますが、地元の人からは「最近のことやで」と意外な言葉が。若い人たちが、5~10年前に取り入れ出したのだそうです。

 3年前の神戸新聞社の取材では、発祥とされる浜手から20~30年前に内陸部へ北上した可能性を指摘しています。

 「灘のけんか祭り」がメディアで盛んに取り上げられ始めたことで、姫路市内で使用が拡大し、神崎郡に広がったことが、自治会や神社への聞き取りから浮かび上がりました。

 屋台も新調の際、布団屋根から、西播磨独特の神輿屋根にするところがしばしば見られます。

 シデ棒がどこまで広がっていくのか。屋台祭礼の分布地図がどんな風に変化していくのでしょうか-。

 まぶたの裏には、まだかすかに、シデ棒の鮮やかな色が残っています。(田中真治)

【シデ棒】紙の飾りがついた青竹で、屋台を先導する。

 この記事は、神戸新聞創刊120年連載「新五国風土記」によるものです。これまでの記事はこちらでお読みいただけます。

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