「灘のけんか祭り」として知られる兵庫県姫路市白浜町、松原八幡神社の秋季例大祭は15日、本宮を迎えた。締め込み姿の男たちは、降りしきる秋雨を吹き飛ばすように3基の神輿を激しくぶつけ合う「神輿合わせ」を見せ、観衆を圧倒した。前日の宵宮と合わせ延べ15万人が詰めかけた。
会場のお旅山は、屋台の練り場が段々畑のように連なる桟敷席に囲まれ、巨大な劇場空間のようだ。
この日、昼すぎに神社を出発した旧灘七カ村の氏子たちは、屋台などを練りながら順番に到着。今年の祭りを取り仕切る「年番」に当たる松原地区の練り子たちが3基の神輿を担ぎ、激しくぶつけ合った。
「バキッ」と鈍い音が桟敷席に響く。村ごとに色が異なる鮮やかなシデ棒が波のように揺れ、練り場に歓声が渦巻いた。
ほかの6地区も勇壮な練り合わせを見せ、屋台がうずのように回転した。どよめきが起こり、播磨の秋祭りは最高潮に達した。(木村信行)
