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オムツの持ち帰りを巡ってネット上で熱い論議。子どもの健康にとって良い方法は…=神戸市内
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オムツの持ち帰りを巡ってネット上で熱い論議。子どもの健康にとって良い方法は…=神戸市内
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 保育所での使用済みオムツの取り扱いを巡って、インターネット上で議論が沸き起こっている。多くの公立保育所では保護者が使用済みオムツを持ち帰らなければならないが、認可外を中心に施設で処分するところも少なくない。ネット上では施設内処分を全国に呼び掛ける動きも出ており、厚生労働省もオムツ問題について課題の洗い出しを始めた。(前川茂之)

 「どうして汚れたオムツを持って帰らないといけないの」

 「わが子の排せつ物ぐらい文句言わずに持って帰れば」

 使用済みオムツを持って帰るべきか否か-。ネット上では連日、激しい論争が繰り広げられている。

 きっかけになったのは、9月1日付で掲載した本紙阪神版の記事。保育所での使用済みオムツの取り扱いが、施設によって分かれていることを紹介した。

 兵庫県の西宮や神戸、姫路市などでは長年、すべての公立保育所で使用済みオムツを保護者に持ち帰るよう指示しており、西宮市はその理由を「排尿回数や便の状態から子どもの健康状態や体調を知ってもらうため」と説明。帰宅後のオムツチェックも呼び掛ける。

 一方、認可外の保育所では「持ち帰りは保護者の大きな負担になっている」として施設で処分する事業所が多く、同じ地域でも対応は百八十度違う。

 こうした日本独特の“オムツルール”に、フランス文化に詳しい現地在住のライター高崎順子さんは「公道で排せつ物を持ち歩くなんて」と驚きを隠さない。

 高崎さんがネット上で全国調査を実施したところ、国内60の市や町、区に住む1704人が回答。「持ち帰りがある」と答えたのは801人(47%)で、「施設で処分してもらう」は903人(53%)と「処分派」がやや上回った。持ち帰りの内訳を見ると、公立の認可保育所(45%)が最も多く、次いで私立認可(35%)だった。

 高崎さんは「体の弱い乳幼児が生活する場で使用済みオムツが長時間保存され、さらに公共の場に持ち出されるのは先進国の衛生対策として疑問がある。施設内処分を全国で進めるべきだ」と訴える。

 保育所内での使用オムツの取り扱いは、厚労省が「保育所における感染症対策ガイドライン」で、「使用後のオムツの衛生管理(ふた付きの容器に保管)および保管場所の消毒」を規定しているが、処分については明確な方針が示されていない。同省保育課は「施設の規模、職員数などの事情が違う。現場で判断してもらってきた」とする。

 ただ、議論の高まりを受けて、多くの問い合わせが寄せられているといい、福田夏樹課長補佐は「これまで問題として捉えたことがなかった。どんな課題があるのか、いま論点を整理している最中。対応はその後に考えたい」と話す。

 では、市民はどの方法が最も良いと感じているのだろう。神戸新聞社がツイッター上で実施したアンケートでは885件の回答のうち、「処分料を徴収しても園で処分してほしい」が41%でトップ。2位は「処分料はなしで、園で処分してほしい」(30%)で、7割以上が施設内処分を望んでいた。一方、「保護者が持ち帰り、家で処分」は24%。「布オムツを使う」との回答も5%あった。

■冬場の感染症注意を

 夏場は「臭いがきつい」など、特に保護者から不満の声が漏れる使用済みオムツの持ち帰り制度。しかし、専門家は「これからの冬場が最も注意すべき時季」と警鐘を鳴らす。

 厚生労働省は「衛生面では問題ない。保育所から持ち帰ったオムツで感染症が起きたケースも聞いたことがない」とするが、兵庫医科大(西宮市)小児科の服部益治教授(64)は「認識が甘い」と指摘する。

 特に感染力の強いノロウイルスの危険性を挙げ、エアコンの効いた、乾燥した室内での保管方法に注意を呼び掛ける。

 使用済みオムツを入れた袋の口を締めずにいると、わずかな時間でも空気中にウイルスが浮遊し始めるといい、「空気感染の恐れが非常に高まる。排せつ物にはウイルスが入っているという前提で対処すべきだ」と訴える。

 その上で「オムツの取り扱いは衛生問題と捉えてほしい。どうしても施設内で保管しなければならない場合は、完全に密閉し、自宅でも開けないようにするべきだ」としている。

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