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朝鮮通信使が宿泊した姫路藩の御茶屋跡。由来を記した案内板が設置されている=たつの市御津町室津
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朝鮮通信使が宿泊した姫路藩の御茶屋跡。由来を記した案内板が設置されている=たつの市御津町室津
ユダヤ人難民にリンゴを配る牧師ら。神戸・北野で撮影されたとみられる(斉藤真人さん提供)
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ユダヤ人難民にリンゴを配る牧師ら。神戸・北野で撮影されたとみられる(斉藤真人さん提供)

 ユネスコの「世界の記憶」(世界記憶遺産)に登録された「朝鮮通信使に関する記録」。通信使の寄港先には、たつの市の「室津」と神戸市兵庫区の「兵庫津」が含まれ、地元から喜びの声が上がった。一方で、第2次大戦中に外交官杉原千畝氏がビザを発給し、ナチス・ドイツの迫害から救ったとされるユダヤ人難民のリストは登録から漏れ、避難先の一つ、神戸市の関係者らは残念がった。

 朝鮮通信使関連の登録について、通信使の歴史などを掘り起こすたつの市のまちづくりグループ「『嶋屋』友の会」は「市民レベルで日韓友好の礎を築くきっかけになる」と歓迎した。

 通信使は1811年までの200年間に12回来日。同会によると、室津には最も多い11回立ち寄り、潮や風を待ったという。ただ、地元に残された資料は少なく、市立室津海駅館では、もてなしの料理や行列を再現して紹介する。

 同会を含む瀬戸内4県のグループは2004年、「港町ネットワーク・瀬戸内」を結成。通信使の航跡を“海の道”と名付け、韓国・釜山の団体の協力で世界遺産を目指す。ネットワーク代表も兼ねる同会の柏山泰訓事務局長は「最終目標の世界遺産に向けて弾みをつけたい」。たつの市の栗原一市長は「朝鮮通信使を生かした観光のまちづくりを考えたい」と意気込む。

 また、兵庫津のあった神戸市兵庫区南部の地域おこしグループ「よみがえる兵庫津連絡協議会」の高田誠司会長(67)は「先人たちが海外と交流する窓口役をしていたと思うと誇りに思う。登録は地元の歴史を後世に伝える活動の後押しになる」と喜んだ。

 一方で、杉原氏関連のリストは登録から漏れた。

 神戸ではユダヤ難民の記録が公的資料になかったため、神戸市は2016年に市民らに呼び掛けて情報を収集。自宅に招いたユダヤ人の写真や滞在場所の記憶など約50件が寄せられた。収集に当たった市企画課の担当者は「ビザがきっかけで神戸の住民とユダヤ人との交流が生まれた。新たな資料が出てくれば収集を続けたい」と話した。

 集まった資料を基に、神戸市文書館(同市中央区)は昨年11月、ユダヤ人と神戸の関わりをたどる企画展を開催。展示内容は市史紀要として今年4月に発刊した。松本正三館長は「ユダヤ人の神戸での暮らしぶりは、ようやく分かってきたところ。登録見送りは残念だが、今後も研究は進むだろう」と期待を寄せた。

(松本茂祥、若林幹夫、上杉順子)

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