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長男、颯人さんの遺影を持ち、仕事で悩んでいた様子を語る前田和美さん=芦屋市
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長男、颯人さんの遺影を持ち、仕事で悩んでいた様子を語る前田和美さん=芦屋市
友人とのメール画面。下が颯人さんからの返信
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友人とのメール画面。下が颯人さんからの返信

 神戸市内の製菓会社に勤務し、昨年6月に自殺した男性=当時(20)=の母親が今年9月、「長時間労働に加え、パワーハラスメントで鬱(うつ)を発症していた」として、兵庫県西宮市の西宮労働基準監督署に労災補償を申請していたことが5日、分かった。母親は「親として企業の責任を問いたい。若い社員が使い捨てにされるような社会であってはならない」と訴える。(中部 剛)

 母親は、芦屋市の前田和美さん(43)。長男の颯人(はやと)さんが昨年6月、神戸市東灘区のJR摂津本山駅で、通過しようとした快速電車に飛び込み亡くなった。

 和美さんによると、颯人さんは高校卒業後、製菓会社に入社。工場でチョコレートなどの製造ラインで勤務していた。タイムカードを基に超過(時間外)勤務の時間を算出すると、始業時刻前から操業準備に入っていたことなどを含め、2015年9~12月は月87~109時間の超過勤務があったと主張する。

 さらに、上司から執拗(しつよう)なパワハラを受けていたといい、同年12月に鬱を発症したとする。通院歴はないが、食欲が減退し、部屋に閉じこもりがちに。趣味のツーリングにも行かなくなるなど鬱の症状が現れており、颯人さんは友人に「鬱かもしれん」とメールを送っていた。

 製菓会社の関係者によると、この工場では始業時刻の1時間~1時間半くらい前の出社が慣例になっているといい、颯人さんが定刻の30分前に出勤しても上司から「社長出勤やなあ」と叱られていたという。

 規格外のチョコレートは牧場に提供するため、上司から「また牛のえさをつくってるんか」などと大声で怒鳴られた。叱責(しっせき)は毎日のように続き、会社を辞めたいと伝えると「辞めたらもうおまえの学校(卒業校)から採用しない」などと言われ、工場内で泣いていたこともあったという。

 過労自殺だと主張する和美さんに対し、製菓会社側は工場長が神戸新聞社の取材に書面で回答。「時間外が80~100時間になるような長時間労働はなく、パワハラも認識していない。亡くなる数日前には職場の仲間と食事に行くなど元気にしていたと聞いている」と反論した上で「労災かどうかは労基署の判断を待ちたい」としている。

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