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持参したおかずを給食用の皿に移して食べる児童(手前)=三田市富士が丘1、富士小学校
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持参したおかずを給食用の皿に移して食べる児童(手前)=三田市富士が丘1、富士小学校

 食物アレルギーのある子どもが顕在化する中、兵庫県内の各教育委員会は、給食のアレルギー対応についてさまざまな取り組みを進めている。県内の公立小学校で食物アレルギーのある児童の割合は13年前の約3倍に上り、多くの学校でアレルギー食材を含むメニューの日に家からおかずを持参。西宮市は児童のアレルギー食材をデータ管理するという全国的にも珍しい取り組みを始めた。(山脇未菜美)

 三田市富士が丘1の富士小学校。給食の時間、2年の男児が、持参した弁当のおかずとスープを給食用食器に移していた。給食のメニューは大豆が入った筑前煮とみそ汁など。男子児童は卵と大豆、小麦が食べられないため、母親が給食のメニューに近いおかずを用意した。同校でアレルギー対応が必要な児童は19人。その食材をよけて食べるか、代わりのおかずを持参しているという。

 県教委によると、県内の公立小で食物アレルギーの児童は2016年度で全体の4・6%1万3343人。調査を開始した03年度1・6%5206人に比べ、大幅に増えた。

 県教委のまとめでは、給食のある小学校758校の約7割、520校で家庭から代替食を持参する児童がいる。また、学校でアレルギー食材を取り除いた除去食を提供するケースも多く、姫路市では09年から、乳成分や卵、小麦、イカ、牛肉、鶏肉、ゴマの7品目を含むメニューの一部について実施している。

 神戸市では、児童に多いアレルギー食材を避けて調理。例えばごま油はなるべく使わず、ひまわり油や菜種油を使用、パンも卵や乳成分を使用していない。

 13年に卵アレルギーの児童が卵白を使ったデザートを食べて救急搬送された西宮市では、今年9月から各小中学校が児童生徒のアレルギー情報をデータベース管理するシステムを導入した。現在の対象は約千人。食べられない食材を事前に登録しておけば、学校側は提供できない献立をすぐに把握できる。

 西宮市教委の担当者は「加工品には複数の原材料が含まれているためチェックが難しく、時間もかかっていた。データ管理することで、誤ってアレルギー食材を提供してしまうミスを防げる」と話す。

■重症化で死亡例も

 給食の食物アレルギーを巡っては、東京都調布市の小学校で2012年、5年の女子児童が、原因食物のチーズが入ったチヂミを食べた後、重いアレルギー症状「アナフィラキシーショック」で死亡した。

 文部科学省は15年、学校給食のアレルギー対応についてまとめたマニュアルを作成。しかし、各学校によって調理設備や食物アレルギーのある児童数などが違うため、対応はそれぞれの現場に委ねられているのが現状という。

 アレルギーに詳しい兵庫医科大の善本知広主任教授は「保護者の意向に沿って、代替食や除去食などを取り入れることが大前提」と指摘。こぼれた牛乳が肌に触れただけでアレルギー症状を引き起こす例もあることから「保護者や教員が連携して注意するだけでなく、子どもにもアレルギー対応の認識を広げていくことが大切」と強調する。

 アレルギーが改善したケースでも、体調が悪かったり、食後に運動したりした場合に再び発症することがあるといい、善本教授は「学校と家庭で情報共有し、見守ることが大切」と話す。(山脇未菜美)

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