総合総合sougou

  • 印刷
来年1月12日にオープンする共同店舗のイメージ図(有馬温泉観光協会提供)
拡大
来年1月12日にオープンする共同店舗のイメージ図(有馬温泉観光協会提供)
火災で更地になった場所で共同店舗の建設が進む=神戸市北区有馬町
拡大
火災で更地になった場所で共同店舗の建設が進む=神戸市北区有馬町

 昨年11月に神戸市北区の有馬温泉街で発生した火災で全焼した伝統工芸品「有馬人形筆」の工房兼店舗が再起を図る共同店舗について、有馬温泉観光協会などが来年1月12日にオープンさせる方針を固めたことが10日、関係者への取材で分かった。防火対策を施した店舗には土産物店や飲食店のほか、宿泊施設や公衆トイレも入る。同協会は「共同店舗の船出を、復興と新たなまちづくりへの一歩にしたい」と意気込む。(村上晃宏)

 火災は昨年11月11日未明に発生。有馬人形筆の唯一の工房だった「灰吹屋(はいふきや)西田筆店」をはじめ、木造2階建ての3棟が全焼するなど計4棟を焼き、住民の女性=当時(90)=が亡くなった。

 焼け跡は更地になり、同工房の7代目夫婦、西田健一郎さん(71)と明子さん(72)=神戸市北区唐櫃台2=は一時期、再建を諦めかけた。だが、地元の旅館経営者らから共同店舗整備の話が持ち上がり、西田さんも再起を決意。江戸時代の同温泉街の最盛期を表す言葉になぞらえた「有馬千軒(せんげん)再生事業」と銘打ち、建設に動き出した。

 敷地面積約350平方メートルの共同店舗は、周辺の景観に配慮した日本家屋風の木造2階建て。壁には耐熱素材を使用し、店内にスプリンクラーを設置するなど防火対策を強化した。

 1階には灰吹屋西田筆店の工房兼店舗のほか、兵庫県内ゆかりのお香やアロマを楽しめる店や日本酒が飲めるバー、喫茶店、土産物店が入る。温泉街全体にトイレが少ないという課題があったため、公衆トイレも設ける。

 2階は素泊まりができる宿泊施設にする。設ける8部屋に内風呂はないが、近くの温泉施設などの利用を想定。素泊まりにすることで宿泊客の足を周辺の飲食店に向かわせ、温泉街のさらなる活性化を狙う。

 西田さん夫婦は現在、火災後に移り住んだ自宅でオープンに向けて人形筆を制作している。以前は工房兼店舗の2階が自宅だったため、共同店舗への通いは体力的な負担が増すが「有馬温泉街の復興のためにも、やるしかない」と力を込めた。

 【有馬人形筆】筆先を下に向けると、筆軸から愛らしい豆人形が顔を出すからくり仕掛けの筆。7世紀に孝徳天皇が有馬温泉に来た後、有間皇子が誕生した伝承から着想を得て、1559年に神戸の人形師が考案したとされる。豆人形が出たり引っ込んだりする仕掛けが、温泉につかる様子を再現している。筆軸に細い絹糸を何重にも巻いて仕上げた華やかな模様が特徴。1993年には兵庫県指定の伝統的工芸品になった。

総合の最新
もっと見る

天気(11月19日)

  • 12℃
  • 7℃
  • 30%

  • 8℃
  • 4℃
  • 80%

  • 12℃
  • 7℃
  • 10%

  • 10℃
  • 6℃
  • 30%

お知らせ