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子どもの貧困対策を巡り、知恵を出し合ったシンポジウム=神戸市中央区海岸通1
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子どもの貧困対策を巡り、知恵を出し合ったシンポジウム=神戸市中央区海岸通1

 子どもの貧困をなくすため、いま何ができるのか。神戸市中央区の兵庫県保険医協会でこのほどシンポジウムが開かれ、先駆的な取り組みを続ける3団体が対応を話し合った。国の調査(2015年)では、子どもの7人に1人が貧困状態にあることが明らかになっている。周囲に見えにくい悩みを掘り起こす大切さを確認し、解決への道筋を探った。(新開真理)

 シンポジウムは、県内の全小中高校と特別支援学校を対象に今春、歯科治療調査を行った同協会などが共催。虫歯が見つかっても未受診の子が65%に上る▽虫歯が10本以上ある「口腔(こうくう)崩壊」の子の4割近くが、ひとり親世帯-など、健康格差と貧困との関係をうかがわせる調査結果を踏まえ、知恵を出し合った。

 同協会副理事長の加藤擁一さんは「未受診の背景には『パートを休むと仕事がなくなるので、診療時間中に連れていけない』『お金が心配』という親の声がある」と話し、治療は各家庭の自己責任という意見に疑問を投げ掛けた。経済的に厳しい世帯が対象の「無料低額診療制度」などをPRする必要性も指摘した。

 静岡市で進む先進的な試みも紹介された。静岡県社会福祉士会副会長の安藤千晶さんは、医療、司法、福祉の専門職が連携して生活困窮者を支える「なんでも相談会」について報告。昨秋にスタートし、医師や歯科医、薬剤師、弁護士、社会福祉士ら約40人が集まり16年度に4回、計約40人の相談に無料で応じた。平日に来られない人にも対応できるように土曜日に開催。「ニーズに応じてその場で多様な専門職につなぐことができ、質の高い支援に結び付いている」と述べた。

 貧困問題を巡っては「甘えている」との批判も根強い。神戸市灘区出身で、子どもの貧困対策に取り組む公益財団法人「あすのば」(東京都)事務局長の村尾政樹さんは「子どもは甘え、頼ることで成長していく。放っておくと、自立ではなく孤立を生み出す」と理解を求めた。

 また、貧困状態にある子は「単にお金に困っているのでなく、さまざまなつながりや、機会が奪われている」と話し、より幅広い視点で解決策を探る必要性を訴えた。

 【無料低額診療制度】自治体の審査を受けた医療機関で、無料または低額の負担で診療が受けられる仕組み。減免額や基準は医療機関によって異なり、保険証がなくても受診できる場合もある。兵庫県内では神戸、尼崎、淡路、宝塚市内の計30カ所の医療機関が実施している。

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