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児童と手をつないで通学路を歩く稲次恵津子さん(右端)=小野市旭町
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児童と手をつないで通学路を歩く稲次恵津子さん(右端)=小野市旭町

 各地で登下校の子どもが犠牲になる事故や事件が後を絶たない中、四半世紀近くにわたり、通学路の見守りを続ける女性が兵庫県小野市にいる。同市三和(みわ)町の稲次恵津子さん(83)だ。「子どもたちが安全に過ごせるように」と、雨の日も笑顔であいさつを交わす。「私と同じくらい、続けている人は全国にもいると思う」。優しく、頼もしい「地域の目」が今日も子どもたちの安心を支えている。(笠原次郎)

 稲次さんは1993年、地元の河合小学校(同市新部町)の通学路で見守りを始めた。当時、稲次さん宅には、通学途中に転んでけがをしたり、溝に帽子を落としたりした子どもがたびたび駆け込んだ。「大きな事故につながらないよう見守ってあげよう」。何げない思いがきっかけだった。

 96年以降、3人の孫たちが小学校へ入学。2008年春にみな卒業したが「通学路に立つのがもう日課になっていたし、身内でなくても毎日顔を合わせると家族みたいなもの」とその後も続けた。

 毎朝、児童8人が稲次さんの待つ場所にやって来て、一緒に約100メートルを歩く。前日の学校であった事や親とのやりとりなど、途中の会話の話題は尽きない。稲次さんと手をつないで歩く1年女児(6)は「初めは学校に行くのが不安だったけど(稲次さんがいるから)安心だよ。いつも会うのが楽しみ」と笑顔を見せる。

 見守った児童は数え切れないが、一人一人の名前を覚えている。ある日、成人し立ち寄った卒業生が畑仕事中に「おばちゃん、元気やな」と声を掛けてきた。「すぐに子どものころの表情が思い浮かんだ。彼らが覚えてくれているのも励み」と稲次さん。

 体力の衰えは感じるものの「あと1年は頑張ってみようかな」。今日も通学路に向かう。

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