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畜産農家が手塩にかけて育てる但馬牛=兵庫県香美町内(画像の一部を加工しています)
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畜産農家が手塩にかけて育てる但馬牛=兵庫県香美町内(画像の一部を加工しています)
神戸新聞NEXT
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 全国農業協同組合連合会兵庫県本部(JA全農兵庫)が、神戸・三宮の直営レストラン「神戸プレジール本店」で、「神戸ビーフフィレ肉」を注文した客の一部に、価格の安い「但馬牛(ぎゅう)フィレ肉」を提供していた問題で、但馬牛(うし)の原産地、但馬の畜産関係者から怒りや戸惑いの声が上がっている。偽装への憤慨はもちろんだが、目立つのは「消費者に但馬牛(ぎゅう)が神戸ビーフより味が劣るという印象を持たれる」という危惧だ。JAたじま(豊岡市)などはJA全農兵庫に抗議文を送付し、信頼回復を求めている。(黒川裕生)

 まず大前提として、兵庫県内で育てられ、加工された黒毛和牛の肉は、但馬産に限らず「但馬牛(ぎゅう)」と呼ばれる。肥育された地域によって「淡路ビーフ」「三田牛(ぎゅう)(三田肉)」などのブランド名が付くこともあるが、広い意味ではどれも但馬牛(ぎゅう)。父牛は但馬を原産地とする但馬牛(うし)(生きている牛)の血統で、県が管理している。

 では神戸ビーフは、神戸で肥育された牛なのかといえば違い、「但馬牛(ぎゅう)のうち、霜降り度合いや脂質などの厳しい基準を満たした肉が神戸牛、神戸ビーフと呼ばれる」などと説明されることが多い。

 神戸肉流通推進協議会の定義では、可食部分の量の等級(A~C)と肉質による等級(1~5)で「A」もしくは「B」の4以上、BMS値(脂肪交雑基準)で12段階の6番目以上、などの基準を満たせば、神戸ビーフと「呼ぶことができる」とある。つまり一定の基準以上は、神戸ビーフでもあり但馬牛(ぎゅう)でもあるということだ。

 香美町村岡区と小代区に牛舎を構える県内最大手の畜産農家上田伸也さん(46)は、自身が営む直営店で、神戸ビーフの基準を満たした肉も「但馬牛(ぎゅう)」として販売している。「但馬牛(ぎゅう)は神戸ビーフの格下、という認識は間違い。ランクの高い但馬牛(ぎゅう)もあることを理解してほしい」と訴え、独自のブランド肉「但馬玄(ぐろ)」の販売にも力を入れる。

 「県産の肉を全部但馬牛(ぎゅう)と呼ぶからややこしい」と話すのは、但馬産の牛肉を扱う道の駅「村岡ファームガーデン」(同町村岡区)の田丸明人社長(61)。「神戸か但馬かを問題にするのは兵庫だけ。消費者の肉の好みも細分化し、神戸ビーフのように脂肪が多ければいいという時代ではない」と指摘する。

 また見過ごされがちだが、但馬の畜産農家は子牛を出荷する「繁殖農家」が大半のため、「但馬牛(ぎゅう)」という言葉から連想される但馬産の牛肉は、実はさほど多く流通していない。今回の偽装も、但馬産だったとは限らない。JAたじまは今回の偽装について「自信と誇りの源泉であるブランドを傷つけられたことに、失望と怒りの念を禁じ得ない」などとしている。

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