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新大阪駅に到着したドクターイエロー。先頭車両のライト下方の黒く見える部分には前方を確認するためのカメラがある=JR新大阪駅
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新大阪駅に到着したドクターイエロー。先頭車両のライト下方の黒く見える部分には前方を確認するためのカメラがある=JR新大阪駅
3、5号車の屋根部分に設けられた「観測ドーム」からは、パンタグラフと架線の状態を間近でチェックできる。きちんとパンタグラフが架線に当たっているかなどを調べ、要注意データがあれば、録画した映像と合わせて確認し修復するという
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3、5号車の屋根部分に設けられた「観測ドーム」からは、パンタグラフと架線の状態を間近でチェックできる。きちんとパンタグラフが架線に当たっているかなどを調べ、要注意データがあれば、録画した映像と合わせて確認し修復するという
パンタグラフから受けた電圧や電流を調べる2、6号車の「高圧室」。新幹線の架線には2万5千ボルトの電気が流れているので、測定中は立ち入り禁止。細長い窓から内部を確認できる
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パンタグラフから受けた電圧や電流を調べる2、6号車の「高圧室」。新幹線の架線には2万5千ボルトの電気が流れているので、測定中は立ち入り禁止。細長い窓から内部を確認できる
線路のデータは4号車で整理され、係員がモニターの値をチェックしている(画像の一部を加工しています)
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線路のデータは4号車で整理され、係員がモニターの値をチェックしている(画像の一部を加工しています)
ケーブルがむき出しになっている連結部(画像の一部を加工しています)
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ケーブルがむき出しになっている連結部(画像の一部を加工しています)

 1日に約64万人を運ぶ東海道・山陽新幹線。その「日本の大動脈」の安全性を支えるのが、黄色い車体の「ドクターイエロー(電気・軌道総合試験車)」です。運行ダイヤは公表されておらず、「見ると幸せになれる」ともいわれる「新幹線のお医者さん」に乗って、「診察」の様子に迫りました。

 JR岡山駅(岡山市)の新幹線ホームに、ゆっくりと黄色い車体が滑り込みます。電光掲示板の表示は「回送」。JR西日本の担当者は「大半は通常の回送電車ですが、ドクターイエローを指していることもあるんですよ」。ドクターイエローは「のぞみ」と「こだま」の2パターンで、東京-博多間をおよそ10日ごとの間隔で走っているので、「回送」表示があれば、もしかしたらそうかもしれません。

 車内に入り、出発すると「ゴー」と大きな音! 声もなかなか聞き取りにくいほどです。「営業用車両と違って防音設備があまりないんです」と担当者。連結部も、測定したデータをやりとりするためのケーブルが何本もむき出しになっています。

 1~6号車には、一部を除き座席はなく、新幹線の線路や架線、信号や通信の状態を調べる機器がたくさん積まれています。3号車と5号車の「観測ドーム」はドクターイエローだけの設備。車両の真ん中にある階段を上がると専用の座席があります。目の前に窓があり、パンタグラフや架線の様子を間近で見られます。映像は全て録画されています。ん? 銀色と黄色の、2基のパンタグラフが見えました。

 「ドクターイエローのパンタグラフは、データを集める測定用と、走るための電気を受け取る集電用があるんですよ」と担当者。パンタグラフは2、6号車に付いていて、走行中は片方を測定用、もう一方を集電用にしています。駅に停車中には、パンタグラフを切り替える様子が見られることもあるそうです。

 さまざまな方法で集められた電気や信号、無線などのデータは2号車に集められ、3号車のコンピューターの情報と合わせ、1号車のモニターに表示されます。まさにドクターイエローの「心臓部」です。データは4人の係員が慎重にチェックしています。

 もう一つの「心臓部」である4号車の入り口はスロープになっていて、他の車両より少し高くなっています。担当者に聞くと「床下にレールの状態をレーザーで調べる機器があるんです」。700系新幹線を基にした今の「T4」(JR東海)「T5」(JR西日本)のドクターイエローは、レールのゆがみや上下、左右の高低差などを25センチ間隔で、0・1ミリ単位の精度で測れるそうです。

 7両編成の中央部に積まれているのは「走行中の揺れの影響が、最も出にくいから」。同じ理由で、他の機器も車両の中央部分に設置され、通路は端に寄っています。

 社内の基準値を超えるとアラームが鳴ります。基準値は、新幹線を安全に走らせるための値よりかなり厳しく、快適な乗り心地を確保するため設定されています。「全てのデータはその日のうちに現場に伝えられるので、アラームが鳴る基準値を超える前に、計画的に補修していくようになっているんですよ」。

 その要にいるのが、データを分析し、判断する係員です。「こだま」運行では、博多-新大阪間も5時間近くかかりますが、それも「あっという間」とか。トイレは駅に止まったときだけ、食事は出発前か終了後に済ませて、基本的に走行中は食べないそうです。安全を守るため、決して気の抜けない、大切な「現場」です。(文・広畑千春、写真・大山伸一郎)

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