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紅白初出場を控え、地元で心境を語る丘みどりさん=姫路市内(撮影・小林良多)
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紅白初出場を控え、地元で心境を語る丘みどりさん=姫路市内(撮影・小林良多)
演歌歌手デビュー後、母親の早苗さん(右)と撮影した丘みどりさん(所属事務所提供)
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演歌歌手デビュー後、母親の早苗さん(右)と撮影した丘みどりさん(所属事務所提供)

 第68回NHK紅白歌合戦に、兵庫県姫路市出身の演歌歌手丘みどりさん(33)が初出場する。デビュー13年目でかなえた夢は、47歳でこの世を去った母早苗さんに誓った約束の舞台。長い下積み時代で挫折もあったが、生前に掛けられた母親の言葉が前を向かせてくれた。「母がいなければ今の私はなかった」。大みそかの夜、万感の思いを歌に託す。(金 旻革)

 歌との出合いは5歳の時だった。内気で人見知りする性格を気にした早苗さんに勧められ、地元の民謡教室に通った。お年寄りばかりだったが「上手だね」と褒められ、好きになった。

 家族が好んだ演歌は身近だった。祖母と行ったコンサートで、鳥羽一郎さんの凜(りん)とした姿に「あんなふうになりたい」と憧れた。かつて、家族の反対で歌手になる夢を諦めた早苗さんが後押ししてくれた。

 21歳で演歌歌手としてデビュー。姫路や大阪などでのPRキャンペーンには、いつも早苗さんの姿があった。「見といて。紅白に出るから」。母親にだけ秘めた思いを打ち明けた。

 早苗さんに大腸がんが見つかったのは、そんな時だった。余命半年。入退院を繰り返す母親に付き添うため、デビュー直後だったが活動を休止した。

 心労をかけないよう余命は伝えなかった。「大丈夫? キャンペーンせな」と心配され、「全然仕事ないねん」と休業も隠した。

 ある日、早苗さんが真剣な表情で告げた。

 「やらずに後悔するより、やって後悔する方がいい。何でもチャレンジして、ママの分までやりたいことをしてほしい」

 残り少ない時間を知っているかのような口ぶりだった。そして、2006年12月、息を引き取った。

 一時は歌手を辞めようと思った。それでも踏みとどまり、地道に活動を続けてこられたのは、胸にあの言葉があったからだ。

 「私の人生で、母の死よりもつらいことは起こらない。だから、どんなに大変なことがあっても前を向けた。演歌歌手として一人前と思われるような歌を紅白で届けたい」

 夢の大舞台を目前にしても落ち着いている。母親がそばで見守ってくれているはずだから。

【丘 みどり】1984年、姫路市安富町生まれ。本名・岡美里(みさと)。小学5年の時に「兵庫県日本民謡祭」で初優勝し、その後数々の民謡コンクールで優勝。山崎高校(宍粟市)在学中から大手芸能事務所のアイドルグループで約1年半活動した。2005年、「おけさ渡り鳥」で演歌歌手デビュー。16年に発表した「霧の川」が音楽情報会社オリコンの週間演歌・歌謡曲ランキングで1位を獲得。今年2月、最新シングル「佐渡の夕笛/雨の木屋町」をリリースし、11月に初の単独コンサートを開いた。

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