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兵庫県香美町香住区沖で漂流していた木造船。巡視艇にえい航されて入港した=6月27日、香住漁港東港
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兵庫県香美町香住区沖で漂流していた木造船。巡視艇にえい航されて入港した=6月27日、香住漁港東港
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 兵庫県但馬地方を含む日本海沿岸で、北朝鮮から漂着したとみられる木造船の発見が相次いでいる。海上保安庁によると、今年は11月末までに59件あり、うち18人が遺体で、42人が生きて見つかった。日本近海で操業した漁業関係者が海難事故に遭ったとみられる。北朝鮮の政策転換が影響しているという指摘もあり、12月に入っても続発。ミサイル問題などで緊迫する情勢の中、兵庫県警などは「見つけてもむやみに近づかず、すぐに通報してほしい」と呼び掛けている。(安藤文暁、小日向務、黒川裕生、篠原拓真)

 6月下旬、兵庫県香美町の余部沖でハングルや数字が表記された木造の平船(全長5メートル)が漂流しているのが見つかった。船首のみが浮いた状態で、香住海上保安署が船内で男性1人の遺体を発見。死後1~2カ月が経過していたという。

 海上保安庁によると、2013年以降、同様の発見は全国で年間45~80件あり、約8割が11~3月の冬場という。日本海では同時期に大陸から強い風が吹き、そのまま漂流したり、流れ着いたりするケースが多いとみられる。生存した乗員は0~4人だったが、今年は既に40人を超える。

 多発する背景には北朝鮮の政策も影響しているとされる。朝鮮労働党の機関紙「労働新聞」は「漁業戦闘」と称し、積極的な漁を党として奨励する記事を繰り返し掲載。大阪経済法科大アジア太平洋研究センターの小牧輝夫・客員教授は「ここ数年、北朝鮮は国民がタンパク源を取れるよう漁獲増を呼び掛け、ノルマを上回った分は漁民が自由に食べたり売ったりできる政策を始めた。老朽化した船で日本の好漁場まで繰り出してくることが漂着の一因になっている可能性がある」とする。

 一方、11月末には北海道や秋田県に漂着した木造船から乗員が多数見つかった。いずれも北朝鮮の漁業関係者とみられるが、乗員が上陸した島の建物から家電製品がなくなり、警察が窃盗容疑で捜査。船には「朝鮮人民軍」と書かれたプレートが取り付けられており、軍との関わりなどについても調べるという。

 但馬漁協の村瀬晴好組合長(67)は「不審船は照明をつけずに航行することが多く、夜は事故につながりかねない」として組合員らに注意喚起。武器を持っていたり、工作員と判明したりした場合は沿岸警備が必要となるため、兵庫県警は海上保安庁などとの連携を強めるとしている。

 元海上自衛官で、軍事研究家の井上明則さん(58)は「北朝鮮では国を挙げて国民の反日感情を高めており、むやみに近づけば危険にさらされかねない。漁民を装って軍の指揮統制を受けている可能性もある」と指摘する。

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