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卓越した技術と、患者に向き合う誠実な姿勢で賞に輝いた笹子三津留特任教授=兵庫医科大学
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卓越した技術と、患者に向き合う誠実な姿勢で賞に輝いた笹子三津留特任教授=兵庫医科大学

 胃がん治療の世界的権威として知られる兵庫医科大(兵庫県西宮市)集学的腫瘍外科の笹子三津留特任教授(67)=神戸市東灘区=が、日本癌治療学会の「中山恒明賞」を受賞した。がん手術の効果を客観的に比較できる臨床研究法を確立し、適正なリンパ節切除範囲などで日本の高い技術を世界標準にした功績への評価。「がん外科治療の大変革に貢献できたことが誇り。患者や協力者らのおかげ」と謙虚に喜ぶ。

 笹子氏は神戸高校などを経て東京大学医学部に進んだ。がんのある部位に加え、転移が懸念されるリンパ節も切除する「リンパ節郭清(かくせい)」を駆使。国立がんセンター中央病院副院長などを務めた後、2007年に出身地の西宮市にある兵庫医科大へ赴任した。世界18カ国で手術指導を行い、3千例以上の手術を執刀。がん患者や家族らと語り合う「がん哲学外来」も開く。

 今回、受けた賞は、安全で有効な食道がん手術法を編み出した故・中山恒明氏の名を冠し、がんの治療・予防の先駆者らに贈られる。

 主要な成果は「幽門保存胃切除」(PPG)。小腸への食べ物排出を制御する胃の出口の幽門はそのままに、がん転移の可能性があるリンパ節を取り除く手術法で、食後の下痢などの後遺症を防ぎ、海外でも普及しつつある。15年の日本医師会医学賞に続く受賞となった。

 笹子氏がけん引して高い技術水準を誇ってきた日本のがん外科手術だが、欧米は数十年前まで認めない風潮にあった。「日本人患者はやせていて手術に向いている」「日本人のがんはおとなしい」など、根拠に乏しい理屈が通っていたという。「外科医は自分の技を極めたい人種。だから勘違いし、1人でも多く治す使命を忘れることもある」と分析。名誉欲や経験則に陥りがちな欧米の医師らを、徹底したデータで納得させた。

 「グローバルスタンダードとして確立された」と成果を回顧。「根本にあったのは患者一人一人への愛情。受賞が今後の臨床研究の励みにもなれば」と語った。(佐藤健介)

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