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亀裂が見つかった新幹線の台車について、図面を示しながら説明する吉江則彦副社長(左から2人目)ら=19日午後、大阪市北区(撮影・中西大二)
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亀裂が見つかった新幹線の台車について、図面を示しながら説明する吉江則彦副社長(左から2人目)ら=19日午後、大阪市北区(撮影・中西大二)
神戸新聞NEXT
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 博多発東京行き新幹線の台車に亀裂が見つかった問題を巡り、19日の会見で「脱線など大事故につながる恐れがあった」と認めたJR西日本。いくつもの異常を乗務員が察知しながら、なぜ約3時間も運行を続けたのか。乗客ら107人が犠牲になった2005年の尼崎脱線事故以降、「安全最優先」を掲げてきたはずのJR西の一連の対応に、専門家らからは厳しい批判が相次いだ。

 問題の新幹線「のぞみ34号」は博多駅出発(午後1時33分)の約20分後に小倉駅を発車する際、乗務員が焦げた臭いに気付いた。同3時15分すぎに岡山駅から添乗した保守担当社員もうなり音を確認したが、東京指令所が「走行に支障がない」と判断し運行を続けた。

 鉄道の技術に詳しい工学院大学の曽根悟特任教授は「岡山駅や新大阪駅などで停車した際、台車部分の点検もできたはず。なぜしなかったのか」と指摘。新幹線に乗務した経験があるJR関係者も「台車は列車走行の安全上、極めて重要な場所。今回は異常を知らせる警報ランプが点灯していなかったようだが、車掌による床下点検などはできたはずだ」と乗務員らの対応を疑問視する。

 この日のJR西の説明では、台車側面の亀裂があと約3センチ広がっていれば台車が破断していたことが明らかになった。「破断となれば、高い確率で脱線などの大事故が起きる。高速走行する新幹線が脱線すれば、多くの死傷者が出る可能性が高い」と曽根特任教授。

 さらに、岡山駅から乗った保守担当社員が停車駅での点検を進言したが、結果的に“黙殺”された可能性があることも判明した。曽根特任教授は「尼崎脱線事故を教訓とする会社にあってはならないこと」とした上で「事故の少ない新幹線は『在来線とは違う』との社内意識が国鉄時代から根強く、尼崎事故の反省や教訓が新幹線に浸透していない」とJR西が抱える構造的な課題にも言及した。

 尼崎脱線事故で妻を亡くした西宮市の山本武さん(68)は「異常があれば原因が分かるまで列車を走らせないのは当たり前。台車の亀裂までは分からなくても、危険性があるのに運行を続けるなんて考えられない。尼崎脱線の教訓を生かさず、同じことを繰り返している」と語気を強めた。(小西隆久)

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