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貝焼きを調理する狩野一代さん=神戸市長田区、万味
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貝焼きを調理する狩野一代さん=神戸市長田区、万味
大貝。アサリと比べても大きい=神戸市中央卸売市場本場
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大貝。アサリと比べても大きい=神戸市中央卸売市場本場
神戸新聞NEXT
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 神戸の年明け、初詣や十日えびすに並ぶ屋台の「つぼ焼き」として親しまれる二枚貝の「大貝」。神戸市長田区を中心にお好み焼きに入れた「貝焼き」としても名が通る。その貝焼きの提供が厳しくなっている。理由は値段の高騰。「手頃な値段で出せない」と、メニューから外す店も出てきた。“庶民の味”は、これからどうなるのか-。(上杉順子)

 和名はウチムラサキ。神戸では大貝、播磨や岡山ではホンジョウ貝と呼ばれる。肉厚で食べ応えがあり、煮込むと出る濃厚なだしが特徴。一部のファンからは神戸のソウルフードとも呼ばれ、長田に林立するお好み焼き店では「貝焼き」が根強い人気を誇る。

 店にとって仕入れ値の上昇は死活問題。お好み焼きの大貝は生であることが必須といい、安値の時期に大量購入し、冷凍することはできない。ある店は半年ほど前、とうとう提供をやめた。「採算を考えたら1枚千円以上になってしまう。お客さんに申し訳ないから」と女性店主はこぼす。地域の鮮魚店も高値で売れないため、注文がない限り、店頭には置かないという。

 神戸市内に流通する大貝は、愛知県・知多半島産がほとんど。神戸市中央卸売市場本場(同市兵庫区)で貝類を中心に仲卸する「大島商店」の辰巳欣孝社長(58)によると、30年ほど前はむき身1キロが千円未満だったが、年々上昇し、12月現在、4500円前後に。季節にもよるが、「ここ1年で2千円近く上がった印象」という。

 知多半島の漁業協同組合で最も漁獲量が多い日間賀島(ひまかじま)漁協によると、大貝は漁師が潜って採る天然物で、養殖や種苗の放流はしていない。漁師はそれほど減っていないが、採れる年と採れない年があるという。2010年に殻付き1キロ384円だった同漁協の平均単価は、16年に680円になった。

 知多総合卸売市場(愛知県半田市)の水産担当者も「最近は東京などからも引き合いがあり需要が増えたと感じる。理由は分からないが、知名度が上がっているのではないか」と話す。

 メニューから消える店がある一方で、踏ん張る店も。神戸市長田区の「万味」では、今も貝焼き(900円)は看板メニューだ。「本当に高く、正直言って出したくない。でも『損して得取れ』の精神で頑張っている。他のメニューも一緒に注文してくれたらいいわ」と、店主の狩野一代さん(69)は、今日もコテを振るう。

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