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無許可で山林が伐採されていた現場=2017年2月15日、三田市大川瀬(三田市提供)
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無許可で山林が伐採されていた現場=2017年2月15日、三田市大川瀬(三田市提供)

 国内各地で、所有者や管理自治体に無断で森林を伐採する「違法伐採」が疑われるケースが相次いでいる。木質バイオマスなどで木材需要が伸びていることに加え、チェックの難しさも背景にある。後継者不足など林業を取り巻く環境が厳しい中、政府などの対応強化が急務となっている。

■林業高齢化、チェック難しく

 兵庫県三田市大川瀬では昨年1月、太陽光パネル設置工事のため約1・5ヘクタールの山林を無許可で開発したとして、土地を所有する姫路市の環境設備会社と、伐採と造成を請け負う大阪市の土木会社に対し、兵庫県が森林法に違反するとして行政指導した。

 土木会社は、県に「許可が不要な1ヘクタール以下と思っていた」と説明。約6千枚の太陽光パネルを設置し、出力1300キロワットの発電を行う計画だったという。昨年11月までかけ、ようやく復旧工事を終えた。

 森林伐採を巡っては問題が相次いでいる。養父市森林組合の関係者は「地元ではまだそんな事例はないが、どこでも起きうる話ではないかと心配している。誰かが山林に入った時に、勝手に木を切っていれば分かるだろうが、有効な方策はない」という。

 スギ生産量が26年連続全国1位の宮崎県。県警は昨年10月、伐採届を偽造し山林を所有者に無断で伐採し盗んだ事件を摘発したが、捜査関係者は「立件されたのは氷山の一角だ」と強調した。県によると、2014年4月から昨年10月末までにスギを中心とする違法伐採被害の相談が計45件あったが、実際の被害はもっと多いとみる。

 伐採業者や仲介業者に対し、民事訴訟を起こす動きもある。宮崎で被害者の会を立ち上げた海老原裕美会長は、新興国で横行する「盗伐」と同じ構図だとした上で「森林の所有者確認を怠った行政の落ち度もある。所有者だけ泣き寝入りするのはおかしい」と憤る。事態が表面化しても処分しないなど県や市町村の対応も遅いという。

 宮崎県日南市の会社員は、祖父の代から守ってきた林のスギ約400本を、無断伐採された。伐採業者が謝罪に訪れ、再造林の方針を決めるまで1年以上かかった。強引な伐採によって林は荒れたままで「同じ思いをする被害者を減らしたい」と力を込めた。

     ◆

 戦後植林されたスギなどが伐採適齢期を迎え、大型木製パネル「CLT」など用途拡大も進む。林野庁によると、国内木材生産量は09年から16年で約5割増加。安価な輸入材に押されて一時は20%を割り込んだ木材自給率は、16年は34・8%と回復傾向にある。

 一方、10年の調査で林業従事者の平均年齢は52・1歳、高齢化率は21%と全産業平均を上回る状態だ。放置林が増える中、境界が不明となり違法伐採の温床になっているとの指摘もある。違法伐採が横行すれば産業の衰退につながりかねない。

 政府もこうした現状に危機感を持ち、16年に森林法を改正し各市町村が細かく所有状況を把握できる林地台帳の整備を義務付けるなど対策に乗り出した。しかし、現場からは「土地を一から調べるのは費用も膨大な手間もかかり、現実的でない」との不満も根強い。

<森林総合研究所の堀靖人研究ディレクターの話>これまでは間伐が主で問題が顕在化していなかった。収穫期を迎え大規模伐採が急激に広がる中、行政の監視が追いついていない。体制の構築が急務だ。

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