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外国人被災者の目線で作成したスペイン語防災ハンドブックを紹介する大城ロクサナさん=神戸市長田区海運町3
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外国人被災者の目線で作成したスペイン語防災ハンドブックを紹介する大城ロクサナさん=神戸市長田区海運町3

 全国に8万人いるとされるスペイン語圏出身者への生活情報発信に取り組むボランティア団体「ひょうごラテンコミュニティ」(神戸市長田区)が、スペイン語の防災ハンドブックを完成させた。代表を務める日系ペルー人の大城ロクサナさん=同市須磨区=は来日して間もなく、阪神・淡路大震災に遭遇。「あの強烈な体験をした私には、備えの大切さを伝える使命がある」と同胞への防災啓発に力を注ぐ。(井沢泰斗)

 1991年に夫と来日したロクサナさん。23年前のあの日、同市須磨区にある夫の勤め先の社員寮で、体験したことのない激しい揺れを感じた。壊れたドアをこじ開けて外に出ると、火災の黒煙で辺りは薄暗く、助けを求めるような声が飛び交う。2人とも日本語がほとんど理解できず、状況がつかめなかった。

 見かねた地域住民に連れられ避難所の中学校にたどり着いたが、倒壊への恐怖や「外国人が受け入れてもらえるのだろうか」という遠慮から校舎に入れなかった。結局、会社の車で1週間以上寝泊まりし、不安な避難生活を送った。

 そんな経験を基に、ボランティアでスペイン語ラジオ番組の放送や無料情報誌の発行に携わるようになったロクサナさん。情報誌は現在、毎月1万2千部発行し、2011年の東日本大震災後には特集も組んだ。今回作った「スペイン語圏市民のための防災ガイド」にも、外国人被災者の視点から災害時に必要な情報をふんだんに盛り込んだ。

 例えば、日本で一般的に使われる「震度」は外国人に伝わりにくいため、予測される被害のイメージをイラストで紹介。事前に自宅の耐震性や避難路を確認しておくことや、発災直後に取るべき行動、災害に関する日本語・標識の意味なども細かく記載している。

 JR西日本あんしん社会財団(大阪市)の助成を受け、まずは1万部を用意して情報誌とともに無料で配布。今後は愛知県や京都市、大阪市のスペイン語圏コミュニティーを回って説明会も開く。ハンドブックを手渡すだけでなく、各地で自主的な災害対策に取り組んでもらうためだ。

 東日本大震災では、原発事故でパニックに陥った外国人から、ひょうごラテンコミュニティに問い合わせが相次いだ。「特に外国人は災害時に情報が入りにくい。日頃から行動をイメージしておかないと、動けなくなってしまう」。発生が懸念される南海トラフ巨大地震も念頭に、備えの重要性を訴え続けるつもりだ。

 配布希望、問い合わせは「ひょうごラテンコミュニティ」TEL078・739・0633

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