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 兵庫県選挙管理委員会の委員に、政務活動費(政活費)の不適切な支出が問題となった元県議の男性(80)=神戸市北区=が選ばれた。地方自治法は、選管委員に「人格が高潔で、政治と選挙に関し公正な識見を有する」ことが必要と規定。また、政治資金収支報告書の提出先は同委員会となっている。元県議の男性は政活費問題で裁判所から「違法」と認定されており、市民オンブズマンなどから疑問の声が上がっている。(前川茂之)

 2017年4月に神戸地裁が出した住民訴訟の判決で、元県議の男性は現職期間中の12年度に、年度中に使用しなかった切手の購入費5万3千円を政活費から支出したことが違法と認定された。同氏は17年9月に県議会に全額を返還した。

 選管の委員は「選挙権があり、人格が高潔」などを満たす人物の中から、議会が選挙で選ぶと規定されている。しかし、兵庫県選管は各政党が推す元議員を順番に選んでいるのが実情。過去30年間の委員は全員が元県議という。

 県議会最大会派の自民党によると、同党では「直前の選挙で引退した県議から選ぶのがルール」といい、候補者の順位は「当選回数」「議長・副議長など役職経験」を考慮して決められる。「当選期数が同じ場合は年齢順」など細かな決まりもあるという。

 15年6月に引退した元県議の男性は、同年12月に選管委員の補充員として選任された後、17年12月24日に前任者が亡くなったことから、同28日付で新たな委員に就任した。

 政活費問題を追及してきた市民オンブズマン兵庫の森池豊武世話人代表(71)は「政治と金にまつわる問題を起こした人が、高い透明性が求められる選管委員に就くのは不適切だ」と批判。「議会は反省を口にしながら、一方では政活費問題を起こした議員を選管委員に漫然と選び続けている。事態を重く受け止めていない証拠だ」と指摘する。

 こうした声に対し、県選管事務局は「選任は手続きにのっとっており、問題はない。選挙権を失うような犯罪を起こさない限り、法律的には失職の理由にならない」とする。

 一方、元県議の男性は「政活費は返還しており、けじめはもうつけている。県議会と選管は別組織。選管のルールに従ってきっちりやり抜きたい」としている。

「議会の既得権ポストに」

 神戸大学の品田裕教授(選挙制度論)によると、選挙管理委員会の委員に元議員が就いているケースは全国の市区町村でおよそ4%と少数だ。ただ、政令指定都市では48・3%、東京23区では60%と、都市部ほど急激に比率は高まる。品田教授は「一概に元議員の選任が悪いとは言えない。問題は選管委員のポストが議会の既得権となっていて、人物重視で選べていないこと」と指摘する。

 品田教授は2013年に全国の市区町村にアンケートを依頼し、選管委員の前職を調査。東京や横浜など都市部の自治体は、選管委員を各党の元議員が占めているところが多い一方、地方部は弁護士や大学教授ら民間人を採用するケースが目立った。

 品田教授は「無所属議員が多い地方に比べ、都市部の議会は政党の所属議員が中心。委員の選任も党派間で調整することが多い」と分析。「選挙に関わる現職議員の利害を調整する役割が期待できる」とする。

 ただ「全員が議員である必要はない」とも。大阪府では12年から、4人の委員のうち1人は民間から選出されており、品田教授は「緊張感を保つためには、外部からの視点も必要だ」としている。

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