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貝に人生を捧げた「貝人」たちを紹介する展示会場=大阪市北区
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貝に人生を捧げた「貝人」たちを紹介する展示会場=大阪市北区

 今年は日本貝類学会の設立から90年。大阪・梅田のLIXILギャラリーで開催中の企画展「ニッポン貝人(かいじん)列伝」は、貝類学の先駆者10人をコレクションや資料約240点で紹介する。(田中真治)

 “貝人”には、兵庫県ゆかりの人物が少なくない。

 平瀬與一郎(よいちろう)(1859~1925年)は淡路・福良出身。標本商として海外の博物館と関係を深め、京都に「平瀬貝類博物館」を設立。「貝千種(ちぐさ)」などの出版物を手掛けた。

 長男の信太郎(1884~1939年)も、日本初の本格的な貝類図鑑を著した学者。そして平瀬と同郷の縁から、貝類学の泰斗となったのが黒田徳米(とくべい)(1886~1987年)だ。

 高等小学校卒業後、平瀬の下で標本づくりに従事。その知識を見込まれ、21年に京都帝大理学部の助手に採用される。学会設立を呼び掛け、47年には博士号を取得。650種を発見し、昭和天皇へのご進講は50回に及んだ。

 その黒田の助手を務めた波部(はべ)忠重(1916~2001年)は篠山・日置出身で、1300以上の新種・新属を発見。九州大教授などを歴任し、日本貝類学会長を8期16年務めた。

 波部が在籍した国立科学博物館に1万種10万点以上ものコレクションを寄贈した実業家河村良介(1898~1993年)は戦中戦後、芦屋に居住。自宅で開催した同好会から生まれた「夢蛤(ゆめはまぐり)」は、学会の研究連絡誌の前身にあたる。

 阪神間がその後も研究の拠点となったのは、黒田が晩年の約20年を西宮で送ったことによる。呼び寄せたのは、西宮回生病院長の菊池典男(1915~2013年)。自ら菊池貝類館を開設し、黒田コレクションは西宮市に寄贈。設立に尽力した「西宮市貝類館」には、菊池の遺品も収められている。

 毎年数百種の新種が報告され、約10万種といわれる貝類。会場には、先駆者たちの名前が付けられた標本も並ぶ。生物生態画の第一人者、牧野四子吉の手になる論文のスケッチなどの資料も貴重だ。最大級のリュウグウオキナエビスから、1センチほどのマイマイ(カタツムリ)まで、さまざまな形や色の貝を見ていると、「天巧精緻無比」という黒田の言葉を実感できる。

 2月20日まで(水曜、2月18日休館)。無料。同ギャラリーTEL06・6733・1790

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