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海外に販路を広げる「コウノトリ育むお米」。水田ではコウノトリが餌をついばむ=2017年5月、豊岡市祥雲寺(撮影・阿部江利)
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海外に販路を広げる「コウノトリ育むお米」。水田ではコウノトリが餌をついばむ=2017年5月、豊岡市祥雲寺(撮影・阿部江利)
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 兵庫県但馬地域で環境に配慮した農法で作られる「コウノトリ育むお米」が海外に販路を広げている。豊岡市などで保護や繁殖が進む国の特別天然記念物コウノトリの餌場である田んぼの環境を守り、農薬をなるべく使わないブランド米。味の良さとともにエコで安全な点が評価され、米国や香港には定期輸出が始まった。関係者は海外での知名度アップを目指す。(秋山亮太)

 地元但馬を中心に消費されてきた「育むお米」が海外で注目されたのは、2015年のイタリア・ミラノ万博だ。日本館のフードコートで出品され、訪れた外国人たちから高い評価を受けた。JAたじまや豊岡市などは10年ほど前から海外進出を計画しており、万博後にはシンガポールで販売が始まった。

 豊岡市は16年、米国・ニューヨークでの日本食PRイベントに「育むお米」のブースを出展。これをきっかけに米国での知名度が上がった。関心を持ったニューヨークの人気レストラン2店では「育むお米」を使った特別メニューが提供され、うち1店は継続使用している。

 JAたじまなどによると、17年5月には香港にも進出。計約3・5トンが輸出され、主に高級スーパーで販売されている。同年9月にハワイ、12月にロサンゼルスにも進出し、米国には現在年約2・7トンが輸出されているという。JAたじま米穀課の塩見真仁係長は「農協や生産者の自信になった」と喜ぶ。

 こうした背景にあるのが世界的な日本食ブームだ。13年12月、「和食」が国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に選ばれ、注目度が高まった。農林水産省の調査によると、海外にある日本食レストランは15年に約8万9千店だったのが、17年には約11万8千店にまで増加。健康意識の高まりも追い風になっている。

 環境にやさしい農法で、米を買うことがコウノトリの生息環境を守ることにつながるということも共感を呼んでいる。同市の海外PR担当者は「コウノトリの保全を米の生産方法につなげたという『物語』も人気を得ている要因では」と分析する。

 次に狙うのは、米食文化がある一大マーケット・東南アジアだ。塩見係長は「さらにブランド力を高め、販売戦略を練っていきたい」と意気込む。

 JAたじまは今年1月、無農薬で「育むお米」を生産する農家と協力し、農作物の安全性や環境保全を第三者が審査する「グローバルGAP」の認証を取得した。欧州を中心に120カ国以上で普及する国際認証により、安全で環境にやさしい米の魅力をさらにアピールし、世界進出をもくろむ。

【コウノトリ育むお米】豊岡市とJAたじまがコウノトリと共生できる米作りをテーマに、環境に配慮した栽培法で取り組むブランド米。2003年から生産を始めた。一般的な農法より深く水を張って雑草が芽吹きにくくする「深水管理」を実施し、農薬の使用量を極力抑える。冬も田んぼに水を張ってコウノトリの餌となる生き物を残す。JAたじまによると年間1500トン程度を出荷している。

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