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松方幸次郎のコレクションだったことが分かったタペストリー「庭園に集う人々」(18世紀、女子美術大学美術館蔵)
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松方幸次郎のコレクションだったことが分かったタペストリー「庭園に集う人々」(18世紀、女子美術大学美術館蔵)
松方幸次郎(川崎造船=現・川崎重工、神戸新聞社初代社長)=川崎造船所四十年史より
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松方幸次郎(川崎造船=現・川崎重工、神戸新聞社初代社長)=川崎造船所四十年史より

 女子美術大学美術館(神奈川県相模原市)が所蔵する、18世紀欧州のタペストリー(室内装飾用の織物)「庭園に集う人々」が、神戸ゆかりの実業家松方幸次郎による膨大な美術収集品「松方コレクション」の一つだったことが、姫路市立美術館の谷口依子学芸員の調査で判明した。同館で10日に開幕するタペストリー展「イメージを織る」に出品される。

 松方は、1910~20年代の欧州各地で1万点を超える美術工芸品を購入。モネやルノワールら印象派絵画の名品も多数含み、当時は世界屈指の個人コレクションだった。英仏に一部を残し、日本に送られた約1300点は戦前、昭和恐慌のあおりで差し押さえられ、数回にわたる売り立てで国内外に散逸した。

 「庭園に-」は縦291センチ、横470センチのつづれ織りの壁掛けで、18世紀前半のフランス・リール製とみられる。木々の茂る庭で踊ったり、酒を飲んだりして楽しむ男女らを題材にした風俗画風の図柄が繊細に織り上げられている。

 松方コレクションのタペストリーは約20点あり、女子美術大学美術館は「マリアの教育」「イサクの割礼」など5点を所蔵。谷口学芸員は、今回の展覧会準備のため、出品作を調査した。同コレクション売却のため1935年に催された「時代タペストリー展覧会」の図録にある作品「楽しき集ひ」の図版写真が、「庭園に-」と全く同じ絵柄であることを発見。サイズも一致し、作品裏に縫い付けられ、制作地や寸法を記した布ラベルが、「マリアの教育」「イサクの割礼」など、ほかの同コレクション作品に付けられたラベルと似ていることも分かった。

 「楽しき集ひ」は、研究者の間では長年所在不明とされていたが、「貴重な作品が大切に守り伝えられていたことが分かり良かった」と谷口学芸員。今回の展示について「松方コレクションとして公開されるのは約80年ぶりになる」と感慨深げに話した。

 同展は姫路市立美術館で3月25日まで。一般900円。月曜休館(2月12日は開館し、翌13日が休館)。同館TEL079・222・2288

(堀井正純)

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