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「ひょうごふれあいランニングパトロール」の試走会で住宅街を走る参加者ら=神戸市東灘区
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「ひょうごふれあいランニングパトロール」の試走会で住宅街を走る参加者ら=神戸市東灘区

 ランニングしながら地域の安全を見守る「ランニングパトロール」の活動が全国で広がっている。兵庫県では昨秋、伊丹市内で初めて市民チームが発足。今春には県警とスポーツ用品大手「アシックス」(神戸市中央区)が共同で市民ランナーらに呼び掛け、県内全域でチームが結成される見込みだ。走る楽しみが社会貢献につながるとあって、応募者数は既に当初予定の2倍近くに。各地の防犯団体が高齢化に悩む中、若い世代のボランティア意識高揚にも期待が寄せられている。(石川 翠)

 「こんばんは。パトロールをしています」

 反射材の付いたベストを着て、歩行者に声を掛けながら夜の住宅街をゆっくり走る。1月中旬、県警などが神戸市東灘区で開いた「ひょうごふれあいランニングパトロール」(ふれパト)の試走会には、20~50代の男女約20人が参加した。

 市民ランナーに地域の見守り役を担ってもらおうと昨年、県警が提案した「ふれパト」。神戸新聞社が事務局を担い、アシックスが走り方の講座を開く。年明けから募集を始めると、希望者は1カ月で神戸のほか豊岡、淡路市などから180人を超えた。今後は地域ごとにチームを組んで活動していくという。

 試走会では、県警の担当者が事前に「駅周辺でわいせつ事件が発生している」などとパトロールのポイントを伝え、全員でコースを確認。その上で5~6人のチームに分かれて走った。

 ボランティア活動自体が初めてという男性会社員(56)=西宮市=は「趣味のランニングで、これまでお世話になった地元に恩返ししたい」と参加動機を語る。今後は仕事終わりの夜にパトロールを続け、退職後は子どもたちの下校時間帯にも走りたいという。

 ランニングパトロールには、防犯関係者の関心も高い。2014年9月に小学1年の女児が殺害される事件が起きた神戸市長田区。防犯ボランティアを10年以上続けている男性(83)は「夜間に学習塾に通う子どもも多く、防犯力向上には“目”の多さが欠かせない。防犯カメラも設置したが、見守るランナーが増えれば地域に安心感が広がる」と期待を寄せる。

 この10年間でボランティアのメンバーは高齢化のため約10人に半減。登校する子どもらの見守りに加え、夜のパトロールを毎月2回続けているが、男性の体調不良もあり、一時は活動休止も考えたという。

 「防犯活動にはいろいろな形があっていい。私たちは一緒に走れないが、情報共有をしたい。現役世代の人が地域の安全安心に関心を持つきっかけになるのではないか」

  ◇

 ふれパトの応募締め切りは2月14日。3月3日に神戸市内で結成式があり、講習会などを行う。詳細は特設サイトか公式フェイスブックで。ふれパト事務局TEL078・362・7077

【全国に広がり、900人参加 伊丹でもチーム発足】

 ランニングパトロールは2013年に福岡県宗像市で防犯活動をするNPO法人「改革プロジェクト」が提唱した。兵庫県警などの取り組みとは別に、1月末時点で兵庫や愛知、京都など26都道府県の約900人が登録し、チームをつくるなどして活動している。

 昨年10月に発足した「チーム伊丹」もその一つ。毎月3回、「午後8時から阪急伊丹駅で」などと日時や集合場所を会員制交流サイト(SNS)で発信し、20人ほどが約5キロのコースを走っている。

 チーム代表の会社員増井宏倫(ひろのり)さん(28)=伊丹市=は「ボランティアといってもやり方が分からない人が多いが、走る趣味を生かしてできる。共感の広がりに手応えはあるので活動の認知度を上げたい」と話す。

 その魅力について、防犯活動に詳しく、自らランニングパトロールに取り組む摂南大法学部の中沼丈晃(たけあき)准教授(公共政策論)は「人のために走る新鮮さと充実感、そしてチームの連帯感も感じられる」と指摘。

 その上で「走りながら『自分が犯人だったら…』と想像して路地や閑散とした場所に注意を払うようになる。一人一人のその意識が、街の安全を高めることにつながる」と語る。

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