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「料理人の僕にできるやり方で、複雑な世界情勢を伝えたい」と話す本山尚義さん=神戸市東灘区、「世界のごちそう博物館」工房(撮影・斎藤雅志)
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「料理人の僕にできるやり方で、複雑な世界情勢を伝えたい」と話す本山尚義さん=神戸市東灘区、「世界のごちそう博物館」工房(撮影・斎藤雅志)
キャベツとコンビーフの煮込み「カピシ・ブル」(トンガ)
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キャベツとコンビーフの煮込み「カピシ・ブル」(トンガ)
ミルフィーユ風に具材を重ねたポテトサラダ「シュバ」(モルドバ)
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ミルフィーユ風に具材を重ねたポテトサラダ「シュバ」(モルドバ)
ドライフルーツの入ったカレー味のミートローフ「ボボティー」(南アフリカ)
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ドライフルーツの入ったカレー味のミートローフ「ボボティー」(南アフリカ)

 ハイチのグリオッツ、ポーランドのビゴス、スーダンのバミヤに、シリアのファスリーエ…。見たこともないこれらの料理を家庭で手軽に作れるレシピ本が今、話題となっている。神戸市東灘区で「世界のごちそう博物館」を主宰する料理人、本山尚義さん(51)の新著「全196カ国 おうちで作れる世界のレシピ」だ。自ら各国を巡って習い覚えた味を身近な食材で再現し、簡単な手順にアレンジして紹介している。(平松正子)

 京都や神戸のフランス料理店で7年間修業を積んだ後、旅先のインドでスパイスの魅力に開眼したという本山さん。1996~98年頃にはアジアやヨーロッパなど30カ国を訪ねて「市場のおばちゃんたちに料理を教わり」、日本が国家承認している196カ国の料理を全て習得したという。

 どこの料理が一番おいしかったかとよく聞かれるが、「それぞれに教えてくれた人たちとの思い出があるから決められない。料理も好きだけど、結局は人間が好きなんですよね」と修業の旅を振り返る。

 帰国後の99年、神戸市東灘区にレストラン「パレルモ」を開店。2010年から2年間、「世界のごちそうアースマラソン」というイベントを開き、2週間ごとにメニューを変えながら196カ国の料理を提供した。今回のレシピ本は、そのイベントの進化形。「店で食べてもらうだけでは一方通行。自分の手を動かし、作って食べてもらうことで、もっと世界を近くに感じて」との願いを込めた。

 1国につき1品ずつ、カラー写真入りで紹介。材料は「スーパーで買えるもの」にこだわり、国内で入手が難しい食材は、現地の味に近い代用品を示した。味の決め手となるスパイスも、オレガノやクミン、パプリカなど、安価で身近なものしか使っていない。

 手順のシンプルさにもこだわった。例えば、トンガの料理「カピシ・ブル」は、材料(2人分)が〈キャベツ4分の1個、コンビーフ50グラム、ココナッツミルク1カップ、塩少々〉。作り方は〈鍋に材料をすべて入れて、中火でキャベツが柔らかくなるまで煮込む〉。たったのそれだけだ。「世界を旅してみると、日本料理がいかに手間暇を掛けているかが分かる」という。

 料理を通じて伝えたいのは味だけでなく、旅で出会った人々の暮らしぶり。文化の入り交じった地域の料理はおいしいが、戦争の歴史がある。貧しい国の食べ物には、貧しいなりの工夫が見える。「料理には人間の生きてきた証しが詰まっている。この本を見て何かを作る時、地球のどこかで同じ料理を煮込んでいる人のことを思って」

 レストランは現在は閉店し、レトルト食品の形で世界の料理を広めている。レシピ集はライツ社刊、1728円。

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