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核兵器と原発について話す森松明希子さん(左)と川崎哲さん=大阪市中央区、ドーンセンター
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核兵器と原発について話す森松明希子さん(左)と川崎哲さん=大阪市中央区、ドーンセンター

 東日本大震災から7年がたとうとする中、被災地から近畿に2520人、うち兵庫には最多の782人が避難する(1月16日現在)。東日本大震災避難者の会「Thanks&Dream(サンクスアンドドリーム)」(森松明希子代表=兵庫県伊丹市出身)はこのほど大阪市内で、昨年ノーベル平和賞の「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN(アイキャン))国際運営委員の川崎哲さんと意見交換した。川崎さんは核兵器禁止条約が原発を容認していると明かし、事故が大きな脅威となることを指摘。「原発を認めない条約にするため、福島第1原発事故の避難者である皆さんの発信が必要」と呼び掛けた。(鈴木久仁子)

 ICANは国連での核兵器禁止条約採択(昨年7月)を推進したことなどが評価され、受賞した。日本は同条約に批准していない。

 川崎さんが、同条約がいかなる核の使用も「国際人道法に違反する」としたことを「画期的」と評価する一方、「『原子力の平和利用』を認めたことは最大の汚点」と明かすと、集まった約100人の避難者らからは「知らなかった」と驚きの声が上がった。

 川崎さんによると、最後まで反対したが「一部の先進国だけが経済発展のため原子力の資源や技術をほしいままにしている」との意見が途上国を中心に相次ぎ、「原子力の平和利用は奪い得ない権利」と押し切られたという。「これが格差社会の現実」と川崎さん。

 避難者からの意見として、森松さんが「全国に散らばった避難者はいまだ、故郷の放射線量の高さにおびえ、帰れずにいる」と説明。家族と引き裂かれ、住宅補助も打ち切られ、周囲の偏見に悩む現状を紹介し「ひとたび原発事故が起きれば悲劇をもたらす。原子力の平和利用など到底容認できない」と訴えた。

 川崎さんは、条約採択には広島や長崎の被爆者たちが勇気を奮い起こして体験を語ってきたことが大きな支えになったと強調。「原発事故の報道が減り、世界ではもう終息したのかと思われているほどだ。避難者の皆さんが事故を語れば、核兵器も原発もだめと発信する力になる」と結んだ。

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